No.222北区赤羽やまとや

ご主人： もともとテーラー（紳士服の仕立て屋）でしたが、たまたま斜向かいのたばこ屋さんが廃業するというので、うちでたばこ販売の申請をしたら許可が下りました。たばこは昔からやりたかったんです。というのも、当時の話ですが、紳士服の工場が韓国や中国に移って安い紳士服が大量生産されるようになりました。

日本の職人さんは本当に質の高い服を仕立てられるんだけど、価格の面で負けちゃうんですよね。それで紳士服はやめて、たばこ専門のお店にしました。

ご主人：そうです。自分が葉巻を吸っていて、付加価値をつけないと、たばこ屋として生き残れないと思いました。

昔は、全国に有名なたばこ屋さんがいっぱいあったんですよ。以前、ある有名なお店に、葉巻を吸いに行ったこともあるけど、吸えたものじゃないの。辛いんです。それは管理の問題なんですよね。だからヒュミドールを造りました。

18度くらいの温度で湿度を80％くらいに上げた中で管理している葉巻じゃないとおいしくないです。ちゃんと管理された葉巻だと甘く感じますよ。

ご主人：そうですね。ほとんど固定客になりますよね。葉巻を吸う人たちには仲間がいますから、口コミで伝わっていきます。

栃木や茨城などの関東圏だけじゃなくて、全国からお客様が来てくれるようになりました。外国人のお客様もよくいらっしゃいますよ。

ご主人：２年前です。JTさんの担当者から喫煙ルームを造りませんか、という提案があったので、話を聞いたんだけど、造りがせこいんですよね（笑）。担当者からすれば、「喫煙ルームがある」っていうだけでいいみたいなんだけど、それじゃダメですよ。造るんならちゃんと喫煙所として役目を果たさないと。

喫煙所がある他のたばこ屋さんを見に行くと一番悪い場所に設置してある。店の中の奥のほうとかね。でも、お客様にとっては入りにくいでしょ。パッと吸えてパッと出られて、しかも綺麗な場所がいいじゃない。

ご主人：今は堅実に常連のお客様を大切にしてお付き合いをさせてもらっています。お客様ファーストですね。

喫煙ルームも、お店の一番いい場所に設置して、綺麗に掃除しています。たばこは煙や灰で汚れやすいので掃除は大変なんですけどね（笑）。お客様のためです。

それから、うちはたばこの専門店でしょ。だからこれから十年先、どう展開していくか、息子は考えていると思うけど、どう先を読んで商売をしていくかですよね。