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5月13日、芝SIAビルにて、2019年度「東京都未成年者喫煙防止推進協議会」が開催された。



この協議会は、東京都における未成年者の喫煙を防止する社会環境づくりに向けて、東京都の官公庁、関係団体等が協働の取り組みを進めるにあたり、必要な事項について検討し実施するため、東京都たばこ商業協同組合連合会が主催団体として毎年開催している。



協議会の構成員は、東京都都民安全推進本部都民安全推進課、東京都教育庁指導部、警視庁、関東財務局東京財務事務所、公益社団法人全国少年警察ボランティア協会、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会、一般社団法人日本たばこ協会、日本たばこ産業株式会社、フィリップ モリス ジャパン合同会社、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社、全国たばこ販売協同組合連合会、東京都たばこ商業協同組合連合会の12団体。



協議会は、東京都たばこ商業協同組合連合会・水谷章道会長の挨拶から始まり、出席団体の未成年者喫煙防止対策についての報告がなされた。


■一般社団法人 日本たばこ協会
毎年、学校が夏期休暇を迎える7月に、たばこの販売、及び未成年者が多く集まる施設運営に携わる団体と協力し、未成年者の喫煙防止に取り組むことにより、社会全体の意識向上を企図した「未成年者喫煙防止強化月間」を設けている。「未成年者喫煙防止強化月間」の主な活動は以下の通り。



(1) 対面販売及び未成年者が集まる施設での店頭訴求ツール展開。具体的には、たばこ販売店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、カラオケボックス、インターネットカフェ等へ配布・貼付を行い、啓発、注意喚起を実施。



(2) 全国たばこ販売協同組合連合会主体の未成年者喫煙防止啓発イベントの支援。全国たばこ販売協同組合連合会が主体となって、全国の主要都市街頭で未成年者喫煙防止への協力の呼びかけや、ポケットティッシュの配布を実施。全国の警察署へもポケットティッシュを送付し、配布をお願いしている。



(3) 中学校・高等学校での訴求ポスターの展開。全国の中学校、高等学校へ同世代からのメッセージを訴求したポスターの配布し掲出を依頼。全国の行政機関等へも配布・貼付依頼を行い、社会全体の意識向上を図っている。



また、たばこの広告・販促活動に関する自主規準を設け会員各社に遵守を徹底している。たばこ事業法第40条(広告に関する勧告等)の趣旨に沿い、広告・販売促進活動・放送に関する自主規準を設定しているが、現在、たばこ事業法施行規則や財務大臣の広告指針等の改正案が公表(パブリックコメント募集)されており、これを受け自主規準についても改定を予定している。



■日本たばこ産業株式会社 東京支社
喫煙は、健康に関する情報を認識したうえで、一人ひとりが大人としての判断にたって喫煙するかどうかを、ご自身で決めていただくものです。
未成年者は、心身の発達過程にあってそれぞれの性格及び、生活様式が未確立であり、かつ判断力も十分ではありません。加えて、未成年者の喫煙は法律によって禁止されています。



JTは未成年者にたばこを吸わせることを意図した活動は一切行っておりません。JTは企業としての社会的責任を果たす観点から、従来より関係団体と連携しつつ、未成年者喫煙防止のための諸対策を行っています。



未成年者喫煙問題は、たばこ業界だけで解決できる問題でなく、家庭環境も含め社会全体で取り組む必要のある問題です。JTは、未成年者喫煙防止に向け、今後とも引き続き関係団体との連携を一層強化し、諸対策に積極的に取り組んでいきます。



JTが現在行っている具体的な活動として、マスメディア等による未成年者喫煙防止啓発広告活動があります。2019年度の予定では、新聞広告を7月中央5紙、その他地方紙に出稿します。今回のキャッチコピーは「見守るだけじゃ、無関心に見えてしまう。防ごう、未成年者喫煙」とし、社会全体で未成年者喫煙防止に関心を持ち、取組んで頂けるようになることを意図しています。



東京都における未成年者喫煙防止活動としては、東京都たばこ商業協同組合連合会、TIOJ、東京都、警視庁等関係機関との「未成年者喫煙防止推進協議会」への参加を始め、未成年者喫煙防止啓発イベントにも積極的に参加、協力を実施しています。



■フィリップ モリス ジャパン合同会社
当社は、未成年者の喫煙を深刻な社会問題であると捉えています。未成年者の喫煙の要因は様々であり、社会全体でこの問題の解決策を探り、取り組んでいかなければなりません。当社もまた、たばこ会社としてどのような役割を担うべきなのかを熟慮し、未成年者の喫煙防止活動に積極的に取り組んでいます。



当社が行う、マーケティングおよび販売促進活動に関しては、日本の関連法令、TIOJの自主基準に加え、独自のポリシー(※)に則った厳しい基準で実施しています。



※「私たちは未成年及び非喫煙者に対し、マーケティング活動及び販売活動は行わない。」(PMIのマーケティング活動の原則および実務指針から抜粋)。



当社は、たばこを販売する前に口頭だけでなく何らかの証明書の提示を求めて年齢確認することを販売店の皆様に推奨しています。また、自社の活動のおいても年齢確認の徹底を図っております。



オンライン活動における未成年者喫煙防止の取り組みでは、PMJウェブサイト、IQOSウェブサイト、IQOSインスタグラムに、未成年者喫煙防止への取り組みと意識啓蒙を図るテキストを掲載し、身分証明書が確認されたあとにページにアクセスができる仕組みとなっています。



■ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社
当社は、未成年者は喫煙してはならないと考えています。加えて、未成年者の喫煙は法律で禁止されています。弊社製品のマーケティングについては、日本の関連法令、一般社団法人日本たばこ協会が定めた自主規準、弊社グループが定めたマーケティング国際原則を遵守し、成人の喫煙者に対してのみ行っています。

また、日本たばこ協会の活動、たばこ販売協同組合の活動を通じて、未成年者の喫煙防止に取り組んでいます。



加熱式たばこ取り扱い店舗では、「NO UNDER 20」のステッカーを掲出。公式ウェブサイト・gloストアではメンバー登録に本人確認書類を用いた厳格な成人認証制度を導入しています。

昨年の例では、東京都での未成年者喫煙防止啓発イベントの他、



  1. 2018年7月2日に東海たばこ販売協同組合連合会・浜松たばこ販売協同組合の活動に参加し、JR浜松駅構内において活動を実施
  2. 2018年7月4日に神奈川県たばこ商業協同組合連合会の活動に参加し、JR川崎駅東口において活動を実施
  3. 2018年7月26日に九州南部たばこ販売協同組合連合会の活動に参加し、JR鹿児島中央駅において活動を実施
  4. 2018年7月27日には宮崎山形屋前において活動を実施


など、全国各地で積極的に参加、活動を行いました。



■一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会
わたしたちコンビニエンスストア(CVS)は、社会的責任の一環として「安全・安心なまちづくりに協力」と「青少年環境の健全化への取り組み」を2つの柱とする自主的なセーフティステーション(SS)活動に取り組んでいます。



この活動は、JFA(日本フランチャイズチェーン協会)内に設置したSS活動推進委員会を通じ、関係省庁からも後援をいただき2005年より全国の店舗にて実施しております。



未成年者への酒類・たばこの販売防止については、最重点課題と認識し、JFAとして業界をあげて取り組んでおります。特にたばこについては、taspo導入以降、CVS店舗における対面販売が増加傾向にあり、CVS店舗でたばこを購入しようとする未成年者が増加。これまで以上に「販売時の年齢確認の徹底」を図り、未成年者への販売防止に努める必要性が高まっている中、CVS業界として取り組みを進めております。



SS活動における未成年者への酒類・たばこ販売防止の具体的な取り組みとして、年齢確認の告知。従業員に対する年齢確認の徹底を教育。従業員が年齢確認の実施を徹底できるように状況に応じた具体的な教育を進めています。「SS活動通信」を2018年度は3回発行し、各店舗の事務所への掲示等を徹底しています。



関連機関との連携として、未成年者喫煙防止協議会、啓発イベント等への参加。各財務局様や関係行政機関様による「20歳未満者販売防止に関する講習会」を開催し、加盟店責任者や本部社員に対し啓発と理解の浸透を進めています。



しかし、残念ながら年齢確認時におけるトラブルが発生している状況です。2018年度の全国での発生状況は18,804店。うち、器物損壊が807店、傷害が212店発生しています。店舗からの要望事項として、酒類・たばこ販売時の年齢確認において、購入者に年齢確認証明書提示義務を負わせるよう、法律・条例の改正について検討をお願いします。



■全国たばこ販売協同組合連合会
たばこ販売組合では、かねてより未成年者喫煙防止に関する取り組みとして、販売店頭でのポスターの掲出、自動販売機へのステッカー貼付による注意・啓発をはじめ、「愛の一声運動」などの活動を組織をあげて積極的に行ってまいりました。



WHOたばこ対策枠組条約において「自販機の禁止、または自販機への未成年者アクセス防止(成人識別機能の導入)」が明確に求められた中で、我々販売組合としては「自販機の存続は絶対死守する」必要があると考え、「一般社団法人 日本たばこ協会(TIOJ)」、「一般社団法人 日本自動販売機工業会(JVMA)および「全国たばこ販売協同組合連合会(全協)」の業界3団体の取り組みとして、2008年7月から全国導入を行っています。



販売店頭における「愛の一声運動」の展開。機関紙等による未成年喫煙防止の周知、啓発。未成年者喫煙防止啓発ポスター等の掲出。都道府県単位で関連機関と「未成年者喫煙防止対策協議会」を開催し、未成年喫煙防止について様々な情報共有を実施しています(2018年度都道府県単位44カ所)。



2009年度より、全国たばこ販売協同組合連合会(全協)とTIOJが主催している取り組みとして、たばこ販売および未成年者が多く集まる施設等の団体と協力し、毎年7月を「未成年者喫煙防止月間」として集中的に啓発活動等を実施しています。2011年度からは、財務局、各自治体、警察、JFA傘下のコンビニやJT、PMJ、BATJ等にも参加要請し、全国各地の繁華街を中心でティッシュ等配布による啓発活動を実施、2018年度は、全国67カ所で開催しました。



販売店店頭での年齢確認徹底を図ることを目的に、関係省庁へ協力を働きかけた結果、「対面販売時に年齢確認を求めるポスター」が財務省ホームページに掲載となり、全協をはじめたばこ販売11事業者団体に活用要請および販売時の年齢確認の徹底が要請されました。これを受け、全協ではこれをステッカー仕様で作成し、全組合員に配布し店頭に貼付するとともに、販売時の年齢確認を徹底しています。



また、TIOJ、警察庁などの協力を得て、「未成年者喫煙防止」に関する研修を各組合のリーダーに対して実施し、青少年の健全育成の観点から、未成年者喫煙防止対策の知見とともに情報共有を行い、受講した各組合のリーダーから全国の組合員への啓蒙を実施しています。



我々たばこの販売を生業としている団体は、未成年者への販売については細心の注意を払っております。今後も、関係機関とこれまで以上に綿密な連携を取り、未成年者の喫煙防止に注力していきます。



■東京都たばこ商業協同組合連合会
全国たばこ販売協同組合連合会の活動に加えて、東京都たばこ商業協同連合会として、以下のような、たばこ販売店店頭での未成年喫煙防止対策を行っている。



(1) 「連合会だより(季刊)」による組合員への周知・啓蒙活動の実施。



(2) 組合員店頭での「愛の一声運動」の継続的展開。



(3) 未成年喫煙防止啓発ポスター等の掲出。



(4) 未成年者喫煙防止啓発イベントの実施

2018年7月23日、渋谷駅西口にて、警視庁少年育成課、CVS6社、日本たばこ協会、たばこメーカー2社などの関係団体様のご協力を得て、ツール配布と呼びかけによる未成年者喫煙防止啓発イベントを開催。



■警視庁生活安全部 少年育成課
警視庁からは、昨年の都内の少年補導状況と未成年者喫煙禁止違反取り締まりをした事案とあわせて、取り組みについて報告する。未成年者の喫煙での補導人員は店頭での年齢確認、タスポ導入を始め、ご助力いただいた成果があり、年々減少している。



都内の補導状況は、昨年1年間で喫煙、深夜徘徊などの不良行為で補導した人員は36,205人。10年前の平成21年から減少傾向にある。平成20年からすると、補導人員は約半数にまで減っており、ここ10年間においては少年の不良行為は改善傾向にある。しかし、サイバー補導などで補導される人数は増加している。



その中で、喫煙での補導は、5,055人。全補導件数の約13.9%を占めており、約7人に1人が喫煙で補導されている。10年前の喫煙での補導人員は、16,076人。昨年は5,055人であったため、約1万1千人減少している。この3年間の喫煙での補導人員は平成28年が6,560人。平成29年が6,327人。昨年は5,055人と減少傾向を示している。



喫煙での補導の減少傾向について考えられる理由としては、たばこが値上がりしたこと、分煙化にともない喫煙できる場所が減少したこと、そしてtaspoの導入や、皆さま方のご努力による各販売店での年齢確認の徹底など、平素からの業界関係者の取り組みの成果が表れていると考えております。



昨年、警視庁管内で未成年者喫煙禁止法で検挙した中でひとつ事例をあげさせていただくと、コンビニ店でのアルバイト店員が未成年者と認識しつつも、たばこを販売してしまったというものがあります。これはアルバイト店員に対して雇用する側が年齢確認を徹底させなかったということが原因かと思いますので、アルバイトを含む従業員の方に対しても年齢確認を徹底するご指導をいただくようお願い申し上げます。



警視庁の取り組みでは、学年末、新学期における少年の非行及び犯罪の防止策として、街頭補導の強化、夜間の補導活動、喫煙防止の啓発活動の強化、取り締まりを実施している。



また、小・中・高校において薬物乱用防止教室等の機会を通じ、未成年の喫煙が成長の過程で身体に与える影響等についての講話を実施。警察官による街頭補導強化とあわせ、少年補導員や母の会、少年警察ボランティアとの合同補導を通して、補導活動や喫煙防止キャンペーンを実施。コンビニ経営者や販売店の年齢確認の徹底を直接口頭で各警察官が要請する。カラオケ店、ゲームセンター、ネットカフェ等店舗に、未成年者喫煙発見時の通報要請をしている。今後とも皆様とともに未成年者の喫煙防止に向けた対策に取り組んでいきます。



■公益社団法人 全国少年警察ボランティア協会
少年警察ボランティアとは、警察本部長等から委嘱された民間スタッフである。少年補導員、少年補導育成委員、少年指導委員等を総称するもので、地域における少年の非行防止や少年の保護を図るための活動の中心的な役割を担っている。



警察、学校、都道府県、市町村などと連携し、街頭補導や少年相談、少年の社会参加や居場所づくり、被害少年支援、広報啓発などの活動を全国計約5万4千人が行っている。大学生ボランティアは約2万5千人が登録されている。



未成年者喫煙防止対策について、各活動地域の小中学校や地域において、非行防止教室や健全育成講習等を行い、参加する小学生、中学生、教職員、保護者等に対し、子供に関わる非行や犯罪、危険被害等の撤廃とともにそれらを防止するための説明、訴えをしている。



その際に健全育成ハンドブックを小学生用、中学生用に制作し、身近な題材を取り上げ、明快に説明している。宝くじの助成を受け、毎年全国の小学校・中学校、図書館、マスコミ等に13万5千部を無料配布している。このハンドブックは、毎年少々の改定はしていたが、今年は時代に即した内容の大幅な改定を行う予定である。



当協会は、今後も社会全体が少年の健全育成とそのためのよりよい環境づくりを実現するために問題提起や少年警察ボランティアの活動をより積極的に支援し、関係機関との連携を図っていきたいと考えている。



おわりに、未成年者の喫煙に関わらず、たばこを取り巻く環境はますます厳しいものがありますが、たばこ産業に関わる皆様の社会責任を全うする姿勢には当協会も心から敬意を表すとともに、今後とも協力させていただきたい。

■財務省 関東財務局 東京財務事務所
未成年者喫煙防止への取り組みとして、未成年者喫煙防止の観点から、成人識別自販機の導入が確実に行われるよう、平成20年7月以降の新規許可者に対しては、『自動販売機によりたばこを販売する場合には、成人識別自販機で販売すること。』をたばこ小売販売業の許可条件としています。



成人識別自販機の導入、定着に伴い、未成年者に製造たばこを販売する事件は対面販売によるものが大半となってきています。最近における未成年者喫煙禁止法第5条違反として検挙・送致されるたばこ小売販売店数は減少傾向にあります。関東財務局の管内(関東甲信越一都九県)で平成29年度に検挙された件数は66件あり、これに対して警告書を発しています。平成30年度は若干減少したが40件ありました。減少傾向であることは喜ばしいことですが、本来あってはならない事案ですので、関係団体の方々には、継続した活動をお願いします。今後とも違反者に対しては、『今後、処罰された事実を確認した場合には、許可取り消し等の厳正な処分を行う』旨の「警告書」を送付して指導を徹底して参ります。改めて、各販売店の皆さまに対面販売時の年齢確認の徹底をお願いいたします。



関東財務局におきましては、地域との連携を深めていきたいと考えています。東京財務事務所としても、地域の皆様と一緒に未成年者の喫煙防止活動に取り組んでいくとともに、たばこ産業の健全な発展のため、たばこ事業法の適正かつ厳格な運用に努めて参る所存ですので、よろしくお願いいたします。



■おわりに
東京都たばこ商業協同組合連合会・森岡和夫副会長より、「未成年者喫煙防止の課題については、たばこ業界の一団体だけでは解決できない問題です。また、一時の対策ではなく、息の長い活動を行っていかなければならないと感じています。当連合会としても今後も皆さま方のご支援をいただきながら精一杯の活動を積み重ね、未成年者喫煙防止に努めていく所存です」という閉会の言葉で締めくくられた。