代表 | 望月秀明 |
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住所 | 文京区千駄木2-1-9-102 |
TEL | 03-3821-0213 |
平日でも参拝客で賑わう根津神社に近く、バス通りでもある不忍通り沿いの好立地に位置する望月商店さん。谷中、根津、千駄木は「谷根千」とも呼ばれ、文豪が多く居住し、下町情緒あふれる土地として多くの興味深い資料や逸話が残されています。この地に長くお店を構える望月商店さんにお話を伺ってきました。
創業されたのはいつ頃でしょうか?
大正11年に父がお寿司屋さんを始めたんですが、戦時中は営業できないのでやめて、戦後は家具屋にしたんです。たばこを扱い始めたのは昭和45年ですね。その当時は家具とたばこと両方扱っていました。ですが、そのうち父も年を取って、重い家具を配達したりするのが大変になって、10年ほど前に店を改装した時にたばこ専業にしたんです。
ご主人はいつ頃からお店を見るようになったのでしょうか?
私は学校を卒業して40年サラリーマンをしていたんです。私がサラリーマンとして外で働いている間は、お店は両親と私の家内が見ていました。私が会社を退職したのが63歳でしたけど、定年になって家に入ってもすることがないんですよ(笑)。その時は家内がお店を見ていたので、じゃあ、今度は私が主になってやろうということで、もうお店に入ってから15年になりますね。
お店に入られたばかりの頃はたばこの銘柄もたくさんありますし、ご苦労されたのでは?
たばこは会社員時代に、私の勤めていた会社の本店にたばこの自動販売機を置いてもらえるよう交渉して、置いてもらったりしていたんです。だから、たばこの知識がまったくのゼロというわけでもなかったんですよ。ただ、お店に来られるお客様のたばこの銘柄がわからなくてね(笑)。最初は戸惑いましたが、今はもう大丈夫ですよ。
お店に来られるお客様はどんな方が多いですか?
色々なお客様がいらっしゃいますけど、店の裏にある日本医大に勤めている方や、患者さんも来ますよ。医大の敷地内ではたばこが吸えないので、わざわざここまで吸いに来たり。それから、店の前にバス停があるんですが、以前はバス停にあった灰皿が最近撤去されちゃったんですよ。だから、うちの灰皿を利用する方は多いですね。灰皿を使ったら「ありがとうございました」ってわざわざ声をかけて下さる方もいらっしゃるし、本当に色々な方がいらっしゃいますね。
ご商売をされる上で気をつけていらっしゃることを教えて下さい。
お客様あっての商売ですから、いつでも笑顔で感謝の気持ちを持って接することですね。40年もサラリーマンやってきましたから、大抵のことは笑顔で応対できますよ(笑)。店も年中無休で開けています。日曜は半日くらいしか開けませんが、ちゃんと店を開けていれば、「休みの日でもあの店に行けばたばこが買える」ってお客様に認識していただけるでしょ。どこでも同じ値段で売っている商品ですから、ちゃんと店を開けて気持ちのいい対応をする。そういう意味では、この商売はこれからが本当の勝負になるのかもしれませんね。
周辺案内
千駄木ふれあいの社
東京都文京区千駄木1-11
東京メトロ千代田線「千駄木」下車 徒歩7分
文京区は武蔵野台地の東端に位置しており、この樹林は区内に残る貴重な崖地の緑です。住宅地の中にひっそりと息づく小さな森は、近隣住民の憩いのスポットのようです。こんもりとした森はスジダイ、ムクノキ、エノキ、ヒサカキ、モチノキ等、多くの常緑樹林に覆われています。
根津神社
東京都文京区根津1-28-9
東京メトロ千代田線「千駄木」下車 徒歩8分
日本武尊が千駄木に創祀したと伝えられる古社で、文明年間には太田道灌が社殿を奉建しています。境内西にある広大なつつじ苑には、約50種、3000株のつつじが咲き、毎年4月にはつつじ祭りが開催され、多くの参拝者で賑わいます。
編集後記
取材に伺った際、お店にはお客様の出入りが多く、店前の灰皿を利用している方々も多くいらっしゃいました。それでも常に灰皿が綺麗に保たれているのは、ご主人がこまめにお掃除をされているから。お客様に気持ちよく利用していただけるように、というご主人の温かい心遣いが伝わる下町のたばこ屋さんでした。