代表 | 新村 俊三 |
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住所 | 〒150-0012 渋谷区広尾5-17-1 |
TEL | 03-3473-1278 |
東京メトロ広尾駅より、祥雲寺を目指して賑やかな広尾商店街を歩くと、舛勝酒店さんがあります。駅から近く、たくさんのカフェやビルの並ぶ商店街は賑やかで人の行き来が絶えません。こちらで長く酒店を営むご主人にお話を伺ってきました。
創業されたのはいつ頃でしょうか?
ご主人:大正13年の10月です。最初は祖父が、港区の芝三光町という場所で酒屋として始めました。この場所には、昭和5年の10月に来て、商売を始めました。たばこは35年くらい前に扱い始めたと思います。目の前のたばこ屋さんが店をやめるということで、うちにたばこ販売の許可が下りたんです。
ご主人はずっとこちらでご商売をされているのですか?
ご主人:いいえ、家内がこの店の跡継ぎで、私は婿に来たんです。私の実家は日本橋で、ここと同じ酒屋なんですよ。私は次男坊なので、こちらに婿に来ました。今、お店はおばあちゃんと家内と私と3人で切り盛りしています。配達の人もいますね。私は帳面とか商品の陳列などを主にやっています。
「舛勝」という屋号の由来は?
ご主人:「勝」という字は祖父の名前が勝正というので、その一字をとって、「舛」というのは、お酒を量る桝ですね。創業者の名前と商売柄の桝をあわせて店の名前にしたんです。最初は木へんを入れた桝だったんです。この木へんを、亡くなった先代の父が、昔の桝じゃ古いからということで、「舛」になったんです(笑)。
ご商売をされる上で気をつけていらっしゃることを教えて下さい。
ご主人:お客様接待ですから、人に優しくということですね。いろいろなお客様がいらっしゃいますけど、やっぱり気持ちよく商いできることが一番です。人と人との触れ合いが接客ですから、お年を召した方がいらっしゃれば、親切にしますし、お客様に喜んでもらえれば、こちらも嬉しいですよ。
お客様との間で思い出に残っていることはありますか?
ご主人:昔、この辺りに住んでいたお客様が懐かしく訪ねて来てくれたりすると嬉しいですね。この辺りも昔に比べればどんどん様変わりしていますから、「ああ、まだお宅のお店は残っていたんだ」なんて言われると嬉しいですよ。「頑張ってね」って言われれば、厳しいご時世ですけど、ありがたいです。その方にとっても思い出ですから、懐かしいものになるし、うちのお店を見て喜んでもらえれば嬉しいですよ。商品を買う、買わないではなく、人とのお付き合いができていれば、それが一番の思い出になりますよね。
周辺案内
祥雲寺
豊臣秀吉幕下の智将と言われた黒田如水の息子・長政の墓所があることで有名です。長政は関ヶ原の戦いで武勲を上げ、筑前福岡藩五十二万石の領主となりました。黒田家ほか、数々の大名墓所群があります。
東京都渋谷区広尾5-1-21
東京メトロ日比谷線「広尾」下車 徒歩5分
有栖川宮記念公園
麻布台地の傾斜を生かした丘や渓流、池などが点在する日本庭園です。四季の自然散策を楽しめるほか、広大な敷地内にはテニスコートや都立中央図書館などの施設も充実しています。
東京都港区南麻布5-7
東京メトロ日比谷線「広尾」下車 徒歩3分
編集後記
たばこ組合の監事の他、広尾商店街振興組合の理事長もされているご主人、地区の行事などで、とてもお忙しく過ごされている中、楽しくお話をさせていただきました。店内には、今では珍しい量り売りの味噌も置いてあり、常連のお客様の心をがっちりと掴んでいるようです。