代表 | 大場 錦 |
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住所 | 〒168-0064 杉並区永福1-21-10 |
TEL | 03-3323-1827 |
お店を切り盛りしながら、杉並たばこ商業協同組合婦人部長を長年務められ、お忙しい毎日を過ごしている大場錦さん。公務員だった御主人が退職されてからは、ご夫婦と息子さんと三人でお店を営まれています。朗らかで溌剌としている大場さんに、お店が開業された頃の永福周辺の環境や、長年続けられている清掃活動、お店にいらっしゃるお客さまへの思いなどをお聞きしてきました。
こちらにお店を構えられた当初から、屋号は大場さんのお名前の「大場錦たばこ店」なのでしょうか?
大場さん:いいえ。大正11年に私の父親が開業した時は「富士見屋」という名でした。昔はここからよく富士山が見えたんですよ。そのうち高層ビルがたくさん建って見えなくなってしまいましたが。昔はこの周りは田んぼばかりで、近くに神田川があるんですけど、男の方なんかはそこでよく泳いだりしていましたね。今の「大場錦たばこ店」になったのは、私が継いでからです。主人が公務員で、兼業ができないものですから、私の名義になったんです。
お店を始められた当初はどんな品物を扱っていたのですか?
大場さん:たばこはもちろんですが、たばこだけじゃなく、縫い針や氷や雑貨、色々なものを扱う万屋みたいな感じでしたね。お隣が鰻を養殖する養魚場だったんですが、その後釣り堀になりましてね。夏場は母がかき氷を出していたので、お隣の釣り堀を楽しんだお客さまがよく立ち寄って店先で氷を食べていってくれましたね。
お父様がたばこを扱うお店を営まれて、大場さんも「たばこ店」としてお店を継がれたということなので、たばこはお好きだったのですね?
大場さん:そうですね。実は私は最初は吸わなかったんですが、婦人部会のメンバーに仲間に入れさせられましてね(笑)、モニターもしていたんです。モニターには、新製品が出る前に名前のついていないたばこが配られるんです。その味や香りなどの感想を書くんですよ、甘さがもう少し欲しいとか、香りはいいとか。やはり、自分で吸ってみると味がわかりますし、お客さまにお売りする時にも色々お勧めできますよね。
車通りの多い場所にお店を構えていらっしゃいますが、お客さまはご近所の方が多いですか?
大場さん:ご近所もそうですが、車でいらして下さる方も多いですよ。この路地にもちょっと車を置けるようになっていますし。車で来られてピース・ミディアムのような販売機に入っていないものを30個、40個まとめて買って下さいます。それから、常連さんの中には、「たばこをやめなくちゃ、やめなくちゃ」なんて言いながらも3日後には買いにいらして下さったり(笑)する方もいらっしゃいます。ですから、体に気をつけて吸いすぎなければよろしいから、なんてお話をしますね。
たばこやお店を通して、印象に残っていることや、嬉しかったことなどをお聞かせ下さい。
大場さん:街頭の清掃活動に力を入れています。17年前にシンガポールへ行った時、街の綺麗さに驚きましてね。吸い殻、ゴミのポイ捨てに厳しいところなんですよ。ジュースの販売機があちこちにありましたが、缶一つ落ちていませんでした。シンガポールから帰ってきてから、西荻公園、阿佐ヶ谷、荻窪の清掃をしまして、当時は汚かったんですが、今は綺麗になりましたね。清掃活動をずっと続けていますけど、通りかかる人から「ご苦労様」なんて声をかけていただくようになり、皆さんに関心を持たれるようになってきたことがわかって嬉しくなりました。
御主人:最近はスーパーでもたばこを扱うようになりましたが、昔からの常連さんがわざわざ買いに来て下さることですね。たばこを買って10分20分お話して。ありがたいことです。
やはり、お客さまとの触れ合いは大切なことですよね。接客する際にいつも心がけていることなどはありますか?
大場さん:昭和50年からずっと営業日誌をつけていて、今でもう何十冊目になるかしら。必ず1ページ目に「営業五訓」というものを書いていまして、それを心がけています。
昭和50年からだともう30年以上も! その営業五訓を教えていただいてもよろしいですか?
大場さん:1、あいさつをしよう。2、商品知識に精通しよう。3、応対と計算を正確迅速に。4、整理整頓をしよう。5、いつも感謝の心を忘れずに。と、当たり前のことなんですけどね(笑)。あとは、やはり真心を持って接客することですね。真心は伝わるものですから。
周辺案内
玉川上水永泉緑地
玉川上水公園から少し西に下ったところにあるのが玉川上水永泉寺緑地です。甲州街道より低い敷地に自然石でこしらえた細い空掘が通り、日本庭園のような落ち着いた景観が展開します。樹木の濃い敷地は起伏に富み、ベンチも設えられ、憩いの場となっています。
住所:東京都杉並区永福1ー4ー1
京王井の頭線「永福町」下車 徒歩15分 京王線「下高井戸」駅下車 徒歩5分
築地本願寺和田堀廟所
築地本願寺は関東大震災で全焼したため、当時豊多摩郡和田堀の大蔵省管轄陸軍省火薬庫跡に昭和9年、仮本堂を移築し、ここに和田堀廟所が建立されました。本尊は阿弥陀如来像で、昭和28年に本堂が再建されました。広大な廟所は、小説家樋口一葉、歌人九条武子、俳人中村汀女、小説家海音寺潮五郎等の墓碑が有名です。
住所:東京都杉並区永福1-8-1
※京王線、京王井の頭線「明大前」下車 徒歩10分
編集後記
綺麗に掃き清められた日当りのいいお店の前にはベンチが置かれ、たばこを買ったらちょっと座って一服していきたくなるような、のどかな雰囲気に包まれた大場錦たばこ店。季節ごとにお花を飾ったり、この夏にはお店の前に簾をかけて、ちょっと休めるようなスペースにしたいのだとか。大場さんのアイデアとお客さまへの真心が伝わる素敵なお店でした。