代表 | 宮 洋子 |
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住所 | 中野区中央 |
今ではサンプラザ中野が余りにも有名になった中野。その昔は、武蔵野の中心であった事が地名の由来になっています。明治22年に、甲武鉄道が開通され、今の中野駅ができた頃から人口が増加し始めました。その中野で代々米殻店を営み、お米マイスターの称号を取得して、まぼろし米と呼ばれる貴重なお米を扱いながら、中野たばこ組合のいろいろな活動の先頭に立ってがんばっていらっしゃる(有)中屋米店さんにお話を伺いました。
いつ頃から米穀店を?
大正9年からです。うちはこの辺りで代々米殻店を営み、もう4~5代目になります。昔からこの辺一帯は農家が多く、このお店も建て替えてしまったのですが、昭和63年以前は、戦災を免れて残った、70年来の木造かわらぶき屋根の建物だったんですよ。
たばこを一緒に扱うようになったのは?
以前は、お米だけでなく、灯油や飲料水も配達していたので、一緒に配達できるものと考えて始めました。昔から、たばこ・米・酒が、三種の神器といわれてきましたから。
お米とたばこを配達していらっしゃるのですか?
ええ。お米をレストランなどの業務用に納品しているものですから、そのとき一緒に注文があれば、たばこもお届けしています。
うちは茨城に、お米用の倉庫があって、一年間に扱うお米を収穫時期にまとめて仕入れます。ご注文をいただいた時点で、お店の地下に設置している精米工場で、精米したてのお米をお客様にお届けしているのです。そのおかげで、当店独自のお米も仕入れて扱えるんですよ。
独自のお米というと何か特別なのでしょうか?
魚沼産コシヒカリよりもおいしいと言われている、某地域のコシヒカリを自家精米した“まぼろし米”というネーミングのお米です。
今は、お米の旨味を計る基準として、食味計値というものがあり、それを数値で表す器具もあるんです。お米にはアミロースという成分が含まれているのですが、この成分が少ないほど粘りが強く、冷めても硬くなり難くい上に、とても美味しいのです。“まぼろし米”とは、正にそういうお米です。
二十年来のお付き合いのある新潟の魚沼によく似た某地域の千俵農家で、契約栽培をしてもらっています。場所をお教えする訳にはいかないのが残念なのですが…。
一昨年、全国食味品評会で日本一になった日本でも指折りの農家で、一年分の在庫は確実に確保してもらっています。“まぼろし米”は、天候やその年の出来不出来には、余り左右されないのですが、量産しているわけではないので、貴重な物となっています。
お米マイスターという資格をお持ちだとか
ええ。お米マイスターとは、食糧庁管轄の新しい認定制度です。お米に関する幅広い知識を持ち、品種特性・精米特性・ブレンド特性・炊飯特性を見極める事ができて、その米の特長を最大限に生かした商品作りを行いながら、お客様との会話を通じて、その良さを提案していける事が必要とされます。
主人と共に、いち早く三つ星の資格を取得しましたが、主人は、更に五つ星の資格を取得するために、勉強中です。(宮 泰子さん)
たばこ組合の活動も活発になさっているようですね
組合の婦人部が集まって、密度の濃い活動を行っています。毎年10月の第1土曜・日曜に開催される中野祭りでは、清掃活動などを行い、たばこ即売会なども実践しています。清掃活動は、年間を通して9~10回くらいでしょうか。毎回、予定より多い参加者が出て、嬉しい悲鳴があがります。
周辺案内
中野ZERO(ゼロ)
JRまたは東京メトロ東西線の中野駅南口から徒歩8分。中野区民の文化を担う中心的存在の施設。SF近未来を思わせる近代的外観とエントランスが特徴的。区民会館として要の施設となっており、その他にも、ライブホール・プラネタリウムや、建物のすぐ裏手に隣接している、紅葉山公園などは、紅葉の季節になると、池と橋と紅葉の調和が美しく、庭園のような趣になるので必見。
編集後記
中屋米店謹製の“まぼろし米”のパッケージは、店員である望月さんの毛筆手書きをロゴとして印刷してあるオリジナルで、以前までは、一つ一つを完全に手書していたこだわりよう。見るからに美味しそうな袋に、通信販売などで顔も合わせず、商品の実物も見ずに、物が買えてしまう現代社会であっても、手に取って触れてわかるものもあると、つくづく身に沁みました。たばこの対面販売にも通じるものですね。