代表 | 上北 孝 |
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住所 | 杉並区西荻北 |
ジャズ喫茶にアートギャラリー、アンティークショップに古本屋さんと、歴史を感じさせる老舗が数多く存在し、暮らしやすい街として老若男女を問わず人気の高い西荻窪。今回はそんな文化の香りあふれる西荻窪の商店街の中で、50年近くにわたって地域に根付いた営業を展開されている「上北たばこ店」さんをご紹介します。
懐かしい雰囲気のある商店街ですね
そうですね。もともとこのあたりは、買い物に行くには近くに吉祥寺とか荻窪がありますから、どちらかと言うと住宅が多いんですよね。ですから商店街自体は昔とそんなに変わらないですね。それと杉並区は条例で歩行喫煙は禁止されていますが、たばこ販売店の前に灰皿を置いて吸うのはいいことになっていますので、ポイ捨ても少なくてきれいだと思いますよ。巡回のパトロールもちゃんと回ってきますしね。私もボランティアの清掃活動なんかに参加しています。だから住むには本当にいいところだと思いますね。ただ、商店街とは言え、もともとそんなに人通りが多いところではありませんし、それでいて駅の近くなので競合店やコンビ二が出来たりして、商売をする上で競争はなかなか厳しいですよ。
お店はいつ頃始められたんですか?
商売を始めたのは昭和33年ごろです。父親は会社勤めをしていて、母親がここでお菓子やたばこを売っていたのが最初ですね。それで途中からたばこだけを扱うようになりましてね。父親が亡くなってからは私がサラリーマンだったものですから、妻がずっと店に立っていました。私は、土日に手伝うくらいだったんですが、会社を定年退職してからここ3年ぐらいですが、今は毎日お店に立っています。商売を始めてから数えるともう50年近くになりますから結構古いですよね。
お客様は地元の方が多いんですか
やっぱり住宅が多いですから固定客の方がほとんどですね。うちは自動販売機より手売りの方が多いんですよ。カートン買いの方もよくいらっしゃいますしね。今は商店街でも土日に休むお店が結構あるんですよ。
けれどもうちはそういう事情もあるので土日も営業しています。逆に休む場合は常連の方には前もってお知らせしておかなきゃならないんですよ。「今週休みますから」って(笑)。だからほとんど年中無休ですね。
パイプたばこも置いていらっしゃるんですね
パイプたばこはほとんど固定客の方用ですね。結構昔から扱っていますね。だから昔ながらのパイプ用のマッチなんかもあります。他ではあまり置いていないので、そういうのを求めて来られる方がいらっしゃるんですね。やっぱりライターよりマッチの方が点け易いし、味がありますよね。置いてあるたばこの種類は、パイプと葉巻も入れて数えると全部で300種類ぐらいになりますかね。
営業する上で気をつけていらっしゃることは?
パイプたばこなんかも扱っていますから、まず品質をしっかり保てるよう在庫管理には注意しています。また常連さんも多いですから、いつも来てくださる方には一言二言お声掛けするようにしたりとかね。
後は未成年者への対応ですね。このあたりは近くに学校があって、ちょうど通学路になっているんですね。ですから、そういう若い人たちには出来る限り販売しないよう努力しています。高専の学生なんかの場合は20歳以上の方もいらっしゃるから、なかなか見掛けだけではわからないので、身分証を見せていただいてちゃんと確認するようにしています。
私は生まれも育ちもこのあたりで、サラリーマンでしたから転勤はありましたけれど、それ以外はほとんどこの街で暮らしているんですね。ですから、やっぱり未成年者への対応とか、そういう事はきちんとしたいと思っているんですよ。
周辺案内
善福寺
善福寺池の池畔を利用して作られた都立公園。80平米近い総面積の約半分を池が占めるという、自然の趣あふれる公園で、園内には貸しボートやゲートボール場、児童遊園やジョギングコース等さまざまな設備があります。JR「西荻窪」または西武新宿線「上石神井」駅からバスが出ています。
編集後記
温厚なご主人の人柄そのままのようなお店からは、まさに街を見守り続ける優しさが伝わってきました。ちなみにお隣の和菓子屋さんは、ご主人のお兄さんが経営していらっしゃるお店。実はこのお店、テレビや雑誌でも取り上げられたことのある人気店なのです。個人的には特に豆大福がオススメです。ぜひ一度お試しあれ。