No.29葛飾区高砂（株）風月堂

　この地に高砂の駅が移動してきたと同時に、初代である私の父親が昭和２７年頃に和菓子屋を始めました。
　駅前という立地柄、人通りが絶えません。いろんな方が乗り降りされますから、駅を降りて、お土産用にとか、すぐ近くにお寺さんが５，６件ありますのでお供え用にお菓子を買っていかれる方が多いです。
　中でも珍しい“家紋葛湯”に人気があります。一般的な葛湯は薄い板状になったものが主流ですが、この家紋葛湯は５０種類の家紋をかたどっています。日本の一般的な家紋が揃っています。

　正真正銘の下町という感じです。高砂自体の地名をご存じない方はたくさんいらっしゃいますが、柴又をご存じない日本人はいないですよね。その柴又の隣の街だと言えば皆さんピンと来るみたいです。
　他には、“柴又七福神巡り”の１つのお寺さんがありますから、１０年前のブームの時には観光客でにぎわっていました。東京観光のコースにもなっていたようで、バスで乗り付けてお参りされる方もいましたね。この頃に比べれば今は落ち着いていますが。

　たばことおつりのセットがお待たせしないでパッと出せるようにしなければいけません。たばこの置き場所、つり銭の位置は勝手に身体が動くようになっています。お客さんによく関心されますよ(笑)。
　電車に乗る前に一服する方が多いので、店頭のスタンド式灰皿が重宝されています。皆さん一生懸命吸っていかれますよ。
　またお店の前の踏切が都内でも有名な“開かずの踏み切り”なんです。うちとしては閉まっていてくれた方がお客様も立ち止まって下さるのでいいんですが(笑)。いっぷくして休んでいけるので駅前にたばこ屋があってちょうどいいかもしれませんね。

　たばこに関しては６割が常連のお客様です。だからカートンでのまとめ買いの方が多いかな。
　そういうお得意様の方に喜んで頂けるような新サービスを何か導入して還元したいですね。
　私は、２回うちで買って頂ければその方の銘柄は覚えます。お客さんは「覚えてるんだ」と嬉しそうな顔をされますが、そのときはお客様の心をキャッチした瞬間かな。
　今は横文字の長い名前のたばこが主流じゃないですか、お年寄りの方は自分のたばこの銘柄を覚えきれないときがあるから、こちらから出して差し上げるととても喜ばれますよ。

　そうですね。１日に２回詰め替えるので普通の倍の時間がかかっているかもしれません。
　ちょっと自販機への詰め方にこだわりがありまして、ぎっしりたばこを詰めないようにしてるんです。半日でも湿気、日光などで商品の鮮度が劣化しますので、自販機の中に長時間たばこを置かないよう、半日で回転させています。
　自販機とはいえ、同じたばこという商品ですから、それ位の管理は最低条件だという気持ちでやっています。
　そのせいか、お客さんから「お宅のたばこおいしいね。他のと味が違うよ」と言われるので、うちのこだわりがちゃんとお客様に伝わっているのかな。厳しく管理している甲斐があります。お店のこだわりとして面倒でもこれからも徹底していきますよ。