代表 | 宝田慶太 |
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住所 | 江東区大島5−6−14 |
TEL | 03-3681-8347 |
大島は江戸の物流を支えた小名木川とともに発展したエリアです。ちなみに、公共交通機関では、都営新宿線「西大島」「大島」「東大島」と、「大島」を冠する駅が3つ並んでいます。
今回お伺いするのは、西大島駅と大島駅をつなぐ長い商店街・大島中央銀座商店街沿いにある宝田屋酒店さん。最寄りは大島駅です。ご主人にお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
ご主人:私の父が酒屋として昭和32年に始めました。たばこの販売許可が下りたのは、その3年後くらいだと思います。父は富山から出てきて、森下の酒屋さんで修業をしてからここにお店を開いたんです。
ご主人がお店に入ったのはいつ頃でしょうか?
ご主人:私は学校を卒業して5年間酒造メーカーに勤めていました。最初の2年は神戸の酒蔵の従業員です。1年は工場で働いて、2年目は税務をやりました。
その後、転勤になって埼玉の狭山市で酒類・飲料全般の問屋さんに3年勤めました。合わせて5年勤めて、平成3年にうちに帰ってきて、平成5年に店を法人にして今に至ります。
父は今年の7月に亡くなりましたが、それまではずっと父と一緒に店をやっていました。
なるほど。酒屋さんは、配達でお忙しいとお聞きします。
ご主人:昔は大変でした。コンビニがない時代は、盆暮れになると、お店が休みになるからお客様が買いだめをするんですよね。一升瓶10本とか、たばこも昔は売れました。時代がよかったですね。バブルで一気に吹き飛んでいきましたが。
バブルの終わりの平成5年くらいまでは余韻でまだ世の中が潤っていたんですよね。この商店街でも飲食店は毎日満席でした。みんなでお酒を飲んでたばこを吸って、いい時代もありました。
お店は商店街にありますし、店前の灰皿のお掃除は大変では?
ご主人:灰皿はお店の開店時に出して夕方の17時頃にしまいます。というのも、消火を確認するのに30分はおかないと、中でくすぶってて万が一店で火が出たら大変ですから。夜に通りすがりで灰皿に吸い殻だけじゃなくゴミを捨てていく人のためには置いておけないです。やっぱり店で買ってくれるお客様に対するサービスなので。
今は夕方になると、商店街も閑散としています。昔は、ダイエーが近くにあったんですよ。昭和47年にダイエーの東京第一号店として大島店が開店しました。建物の老朽化で2021年に閉店しましたが、ダイエーがあったので、ここの商店街にもまだ人の流れがあったんです。
大型店舗も人の流れを作るという点で地元商店にも恩恵があります。跡地は来年竣工予定らしいですが、何かしらの大型店舗が入れば、また人の流れができて、この商店街にも人が通るんじゃないかな。やっぱり地域の人も大きな店舗ができると、日用品の買い物が安定するのでありがたいんですよね。
ご商売を続ける上で気をつけていることはありますか?
ご主人:常連さんを大事にすること。たばこのお客様は、お店に3回くらい来ていただければ、顔を見て銘柄を出せます。店の前に来た段階で品物出してます(笑)。例えば車が店の前に止まると、その車種でお客様がわかります。そういう常連さんの銘柄は絶対に欠品しないようにしています。
お酒でも自信を持って勧められる銘柄しか置いていません。「道灌」というお酒を直接営業所と取引しているんですよ。東京ではほとんど置いてないです。蔵元のある滋賀県の物産展などがあるときにしか出ないものを営業所から持ってきてもらっています。
周辺案内
大島中央銀座商店街
都営新宿線の大島駅と西大島駅をつなぐ東西に長い商店街が大島中央銀座商店街。「中央銀座」のネオンアーチが昭和レトロな雰囲気を醸し出しています。昭和時代の活気は遠のいていますが、現在でも頑張っている個人商店の佇まいは、歴史とノスタルジーを感じます。
江東区大島5
都営新宿線「大島駅」「西大島駅」下車徒歩すぐ
大島四丁目公園
区立大島南央小学校の北側に位置する児童公園。広々とした園内の遊具エリアにはブランコや砂場、太鼓橋ほか複合遊具があり、子供たちに人気があります。遊歩道や緑化エリアもあるため、親子で楽しめます。
江東区大島4−17−9
都営新宿線「大島駅」下車徒歩5分
編集後記
とてもお話し上手で、近隣地域のことや、お酒やたばこ販売の様々な情報にも精通しているご主人。お話はとても勉強になりました。たばこもお酒も自信を持ってお客様に勧められるものを置いているという力強い言葉に、商売人としての心意気が感じられ、感銘を受けました。
たばこもですが、お酒の銘柄についてもご相談できるので、興味のある方はぜひ立ち寄ってみてください。