代表 | 秋葉 由利子 |
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住所 | 文京区千石 |
江戸時代、茗荷畑が多かったのでついた地名が文京区の茗荷谷。今は地下鉄丸ノ内線の駅名として残っているこの地は、日本有数の文教地区であり、小石川に象徴される印刷・出版・製本業が盛んな地域でもあります。そんな茗荷谷の駅から徒歩8分程のところに、“モダン異空間”なたばこ屋さん「ショップ あきば」があります。家族のそれぞれの夢を適えたスペシャルなたばこ屋さんをご紹介します!
素敵なお店ですね
ありがとうございます。たばこ屋さんに見えないらしく、マジマジと覗いていく方がたくさんいらっしゃいます。「外観と合わないから」と、メーカーの営業員の方も気を使ってたばこの広告を貼っていかないから、何屋さんか分かりにくいかもしれません。
4階建てですか?
娘夫婦と一緒に住める2世帯住宅なんですが、1階はお店と、プライベートのリビング。2階は私達の居住スペース。3・4階は娘夫婦の居住スペースです。娘の強い要望で、デザイナー建築家の方にお願いしました。
家を改築するにあたって、いろいろ大変なことがあったんです。1つに、鉄筋だからボウリングをして岩盤を探すんですが、あたったのが地下12メートル。杉並、下北沢辺りは1メートルですむし、浦安辺りだと30~40メートル掘らないと岩盤にあたらないみたいですね。耐震の設計はまた別の方で、東京国際フォーラムの耐震設計も手がけた方なんです。
どのようなお客様が来られますか?
コーヒーを飲んでゆっくりしていくお客さんは、1日で20人位かな。オフィスで禁煙になってるところが多いから、お昼休みにはサラリーマン、OLさんや近所の奥様方がいらっしゃいます。
それから車がお店の前に停めれるので、車で遠くから来られ方や、よその店では2・3週間かかる特別注文のたばこが、1週間以内で仕入れることができるので、ひいきにして下さるお客様などです。
以前からコーヒーも飲めるような形態だったんですか?
以前はたばこ屋のみでした。お店の新装開店が平成13年12月27日なんですが、「タバコ&コーヒー」の形態になってから丸2年になります。
なぜコーヒーを始められたんですか?
昨今たばこを吸う場所がないから、サービス程度ですけどコーヒーをお出しして喫煙でも会話でも、ゆっくりしていただける空間を提供したかったんです。
もともと戦前からのたばこ屋で、主人の実家なんです。主人は公務員でしたので私がたばこ屋を引き継ぎました。今の形態になったのは、主人はコーヒーが好きで、定年後はたばこを売りながらお茶を飲める店をやってみたいという思いが前々からありました。でもなかなか実現するのは難しいかなと思っていたんですが、子供たちの協力もあって夢がかないました。
たばこ組合の活動も活発に参加されているようですが
新宿文京たばこ組合の婦人部長を、かれこれ10年位務めているのかな。最近、組合の集まりに行くと「たばこが売りにくい」「売れない」というマイナス志向な話題がよく出てくるんです。禁煙や路上喫煙問題などの今の世相に、販売店も自信をなくしているんですね。でも私は「それはいけない!」、歴史も文化も精神的効用もある商品なんだから、たばこに関する正しい知識とマナーを勉強してお客様に伝えていかなければいけないと思っていますよ。弱気にならず毅然とたばこを売っていきましょうと皆さんに呼びかけています。だって、たばこ屋さんが元気にならないと買う方だって「いいのかな?」って不安になるでしょ。
ご趣味などは?
主人はゴルフ、私は20年ほど日本舞踊を習っています。たばこだけ好きな方もいらっしゃるけど、私たちはたばこも好きだけど、活動的に遊ぶのも好きなんです。地域の婦人会、子供が学校に行っているときにはPTA、ママさんバレー、テニスなど昔はいろいろしていました。活発ですよ!
周辺案内
小石川植物公園
明治10年東京大学付属の植物園となった小石川植物公園。江戸時代サツマイモの栽培に成功して日本を飢餓から救った「芋神さま」青木昆陽は、この園内で試作を行っていました。
準工業地帯
小石川を地図で見てみると「準工業地帯」と書かれています。“共同印刷”を中核とする製本・印刷・出版関係の会社が密集した地域でもあります。千川通りから一本裏の路に入ると、軒を並べる製本工場の数に驚きます。
編集後記
本文ではなかなかお伝えできなかった、デザイナー建築家設計による「秋葉邸」ですが、この場で少しお店の様子をお伝えしたいと思います。
通りから店内を覗いてみると、黒で統一されたカウンターが何ともモダンでシックな雰囲気。一方、ドアを開けて空間全体を見渡すと、まさにそこは“異空間”。大通りの車の騒音が嘘のように、静かな空間へ変容します。奥の畳のスペースは一応プライベート用ですが、こちらでコーヒーを頂く定連さんもいらっしゃいます。コンクリートの壁面と木の暖かみ、畳のリビングがおしゃれで家庭的な“異空間”になっています。たまたま奥様がたばこを売るウィンドウカウンターをアールのスケッチで描いたところ、建築家の方が大変気に入り、そのイメージから建物全体のデザインへと広がっていったそうです。(このデザインが工務店泣かせだったとか)