代表 青木 誠二
住所 墨田区業平3-17-1
TEL 03-3623-9211

東京スカイツリーが開業して今年(2023年)で11年。東京のランドマークとして定着しました。最寄り駅の押上は、スカイツリー開業前から着々と鉄道が整備され、東武スカイツリーライン、京成押上線、都営浅草線、東京メトロ半蔵門線が乗り上げており、観光に便利なことはもちろん、複数線を使用できる利便性から、移住者も増えたようです。

そんなスカイツリーのお膝元で長らくご商売をされている業平屋さんのご主人にお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

お話を伺ったご主人と奥様。

ご主人: たばこの販売を始めたのは、2002年の2月です。21年なので、まだ浅いんですが、店自体は明治時代の創業で、人力車をやっていました。車は8台くらいあったと聞いています。

昔はこのへんは何もなかったので、どこか行くにも車(人力車)が便利だったんじゃないかな。まあ、明治時代のことなので、わからないですが(笑)。

そうですよね(笑)。人力車で創業してから、店舗を構えるご商売をされるようになって、ご主人で何代目になるのでしょうか?

整理された棚が綺麗で見やすいです。

ご主人:四代目になります。人力車の後は、大正12年に起きた関東大震災の翌年の大正13年に父が果物屋を始めました。神田市場からここまで荷車で果物を運んでね。昔の人はすごいよね。

でも、昭和20年に戦争でこのへんは焼け野原になりました。父の果物屋ももちろんなくなりましたが、またお店を始めて、松原団地のほうにも果物屋を構えていました。

ご主人の代からたばこの販売を始めたということですね。

棚はご主人が手ずから制作したとのこと。

ご主人:半蔵門線の押上駅が開業したのが2003年ですが、それまでにこのあたりはみんな区画整理をしたので、店も建て直してたばこを売るようになりました。

最初はクリーニングの取次もやっていたので、今ほどたばこは置いていませんでした。当時は自動販売機がよく売れていましたから。

今のように種類を多く置くようになったのは、約12年前からです。少しずつ増やしていって、取材がくるというので数えてみたら、527種類ありました。

本当に多いですね。棚も見やすくて眺めていて楽しいです。

飲料やパン、おにぎりも売っています。

ご主人:いろいろなたばこメーカーの方が棚を作ってくれるって言ってきてくれたんですが、そうすると銘柄が指定とかになっちゃうから、すべてお断りしました。全部自分で銘柄を選んでやりたかったので。棚も自分で測ってホームセンターにオーダーして作りました。

お客様はやっぱり地元の方が多いです。あとは、隣にパチンコ屋さんがあるので、そのお客様が買ってくれますね。

たまに、うちがいっぱい置いてるから、珍しいのがあるかと思ってくる人はいますよ。いつも吸ってるのじゃなくて、何か変わったものが吸いたいとか。わからない銘柄をスマホの写真で見せてくれて「このたばこありますか?」とかね。

これだけ種類があれば、そういうお客様もいらっしゃいますよね。それでは、ご商売を営む上で気をつけていらっしゃることは?

スカイツリーのすぐ近くにあるお店です。

ご主人:お客様には愛想良くってことでしょうか。接客商売でブスッとした顔してちゃダメですよね。自分もお店に行ってブスッとした顔されちゃいやですもんね。

お客様あっての商売ですから、気持ちよく買い物をしていただけるように。それくらいでしょうか。

周辺案内

東京スカイツリー

東京のランドマークのひとつで、634mの自立式電場塔。東京ソラマチなどの商業施設を擁する観光施設でもある。広さ約3.69haの中に、水族館やドームシアター、商業施設、オフィスビルが併設されている。

墨田区押上1-1-2
東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー」下車すぐ/東京メトロ半蔵門線・都営浅草線ほか各線「押上」下車すぐ

おしなり公園

東京スカイツリーのお膝元にある親水公園。親水テラスや展望デッキ、噴水なども併設されており、夜にはライトアップされる箇所も。広大なスカイツリーを眺めながら北十間川の水辺を散歩できる。

墨田区押上1-1
東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー」下車徒歩5分/東京メトロ半蔵門線ほか各線「押上」下車徒歩5分

編集後記

店に置いているたばこの銘柄527種、ご主人は全部覚えていると仰っていました。ご商売をされる方の記憶力には感嘆します。お客様がいらっしゃると流れるような動作で接客される様子もさすがでした。奥様もとても穏やかに対応してくださり、ご夫婦二人三脚で営まれる下町のたばこ屋さんです。

圧巻の品揃えですので、スカイツリーやその周辺に観光に行った際にはぜひお立ち寄りいただきたいです。