代表 秋葉 由利子
住所 文京区千石2-5-1
TEL 03-3946-6545

東京メトロ丸ノ内線の茗荷谷駅から北へ歩くと、筑波大学東京キャンパスに隣接する教育の森公園や、その中にある自然豊かな庭園の占春園を通ります。

さらに都営三田線千石駅方面へ歩いていくと、都道436号線沿いに看板のイルミネーションが一際きらびやかな、「たばこショップあきば」さんがあります。

こちらで長年お店を営む秋葉由利子さんにお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

お話を伺った奥様。

奥様:創業は戦前です。主人の父がお店を始めました。私は昭和44年からお店にいるので、もう50年以上になりますね。主人は外で勤めていたんですが、定年になったので平成20年にお店を建て替えたんです。昔は窓口しかないお店だったんですよ。

暮れのお歳暮とかに進物としてたばこを包むでしょ。包んでいる間、お客様を外でお待たせするのが申し訳なくて。お客様が中に入れるようなお店にしたかったんです。それで今のように建て替えました。

今は東洋大の教授で、丹下健三さんの事務所にいたこともある櫻井義夫さんのデザインです。

え! すごいです! かっこいいお店ですものね。

銘柄豊富です。

奥様:主人も定年になって、お店を手伝えるようになったし、コーヒーが好きだから喫茶店にしようと思ったんだけど、それはダメって反対されて(笑)。喫茶店ではないけど、カウンターを作ってちょっと座れてコーヒーを出せるようにはしました。

今はカウンターは見ての通り、加熱式たばこを置く場所になっていますが、知り合いの人が来たり、地域の会合のときなどはコーヒーを出したりしていますよ。

ここ3年のコロナ禍でたばこには何か影響はありましたか?

窓口はクリスマスのイルミネーション。

奥様:たばこは嗜好品なので、ないですね。飲食店ではないので、お店を閉めることもなかったですし。そんなに影響はなかったです。

今、文京区が対象のお店でPayPayで支払いすると30%ポイントが戻るというキャンペーンをやっているんですよ。それですごく忙しいんです(笑)。うちは2019年からPayPay使えるようにしているので、若い方もスマホで調べているのか、遠くから買いに来てくれますよ。

PayPayの効果すごいですね! 銘柄も多いですが、どれくらい置いてますか?

灰皿がある場所は喫煙者のオアシスです。

奥様:日本のたばこだけでも100はあるし、外国のたばこも多いし、加熱式たばこも今すごく多いので、少なくても200はあると思います。お店の脇に灰皿を置いているんですが、今は全然吸える場所がないでしょ。コンビニはたばこ売るけど、灰皿を置く店はとても少ないし。だから、灰皿を置いてるここはオアシスですよね。

私が作った標語がたばこ新聞に載ったことがあるんです。「たばこ税 国や地方を潤します 吸う場所作って! お役所さん」と。これを見てお客様も「そうだよね」って言ってくださるし、たばこは法的に認められている嗜好品なので、マナーを守って人に迷惑をかけなければ、もっと堂々と吸っていいと思うんですよ。

仰るとおりです。それでは、ご商売を営む上で気をつけていらっしゃることは?

日が暮れるとお店のイルミが映えます。

奥様:お客様には平等に親切にすることですね。たばこ1個買う方にも、10個買う方にも同じくらい感謝の気持ちを持っています。街のたばこ屋さんが今、どんどん少なくなってきているでしょう。でも、「このお店なくなったら困る」って遠くから車や自転車で買いに来てくれるお客様もいらっしゃるんです。だから頑張っちゃうんですよ(笑)。

今、ひとり暮らしの高齢の男性って多いでしょ。常連さんで足の悪い高齢の男性が家まで持ってきてほしいって言うので、私が配達します。それはね、やっぱり親切にしたいし、私の愛情です。逆にお店を閉めてると、お客様が私のこと心配してくださるんです。ありがたいですよね。だから、お店やめられないですよ。

周辺案内

教育の森公園

旧東京教育大学(現在の筑波大学)の跡地に昭和61年に開園した。春には桜並木、夏にはじゃぶじゃぶ池や緑濃い樹林帯があるなど、四季折々の表情があり、区民の憩いの場となっている。

文京区大塚3-29
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」下車徒歩3分

占春園

水戸徳川家二代光圀の弟である松平頼元が構えた屋敷内の庭園の名残である。ホトトギスの名所として知られており、教育の森公園と隣接している。森閑とした雰囲気で四季の散策を楽しめる。

文京区大塚3-29
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」下車徒歩5分


編集後記

とても明るくてハキハキお喋りされる奥様。お話を伺っていてとても楽しい気持ちになりました。きっと常連のお客様も奥様のこの軽快な明るいお人柄に惹かれてお店にくるのだと思いました。

お店の横にある灰皿を利用している方も多く、掃除も大変とのことですが、茗荷谷駅からお店まで灰皿が置いてある場所がないため、喫煙者にはほっと一息つける場所が必要とのこと。これも奥様の愛情ですよね。そしてその愛情はしっかりお客様に伝わっていると思います。

いつまでもお元気でお店を続けてほしいです。