代表 | 岡部 芳子 |
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住所 | 渋谷区西原3-24-12 |
TEL | 03-3466-3549 |
小田急線と東京メトロ千代田線が乗り入れる代々木上原駅。周辺の西原や大山町は昔から閑静なお屋敷町として名を馳せています。
最近では、個人が営むおしゃれなカフェやレストランが多く開店し、都内でも屈指のグルメタウンとなっています。
こちらで長らくたばこ専門店を営む岡部たばこ店の奥様にお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
奥様:昭和12年です。主人の父の妹である叔母が優秀な人で、専売公社に勤めていました。
昔はたばこ屋さんを始めるとなると、身元調査があったくらい国の販売物を扱う店として厳しい基準があったんです。でも、叔母が専売公社に勤めていたこともあり、ぜひお店をやってほしいということで、開店しました。
17年くらい前までは、この通りの角にお店があったんですが、建て替えたときに今の場所に移りました。お客様には曲がり角だと車を停められないから、車を停められる今の場所に移ってくれてよかったという方もいらっしゃいました。
歴史あるお店ですね。ずっとご家族で営業されているのでしょうか?
奥様:そうですね。最初は義母たちと一緒に。私がこちらにお嫁に来て54年になりますが、結婚してすぐにお店を手伝いました。その頃お店は朝6時から夜10時まで開けていましたね。
義母は明治生まれの人で、本当に真面目によく働いていました。たばこが売れた時代だったということもありますしね。段ボールで買って行く人もいて、面白いくらいに売れました。
昔は渋谷フェスティバルに組合の役員が出店して手売りしたんですよ。よく売れましたね。今は、フェスティバルでたばこを売れなくなってしまったので、渋谷にはクリーンキャンペーンなどのお掃除に行っています(笑)。
創業時からたばこ専業のお店ということですが、銘柄も豊富ですね。
奥様:でも、これでもずいぶん減らしたんですよ。在庫の管理は今は難しいですよね。主人は昔気質の人なので、在庫が少ないと心配するんです。
ふいにお客様がいらしたときに、在庫を切らしてるって断るのがイヤなんですよ。だから、安心できるくらい確保しておきたいんですが、昔ほどは売れないから(笑)。
お店はだいぶ暇になりましたが、主人は「この年で店が忙しいと困るぞ。今くらいがちょうどいいんだよ」って言います(笑)。
なるほど(笑)。お店の前の灰皿を利用している方がとても多いですね。
奥様:多いですね。すぐ裏に銭湯があるんですが、以前はそこに灰皿があったんです。ベンチがあって、ジュースの自販機があって、コインランドリーもあるので、お風呂に入って一服していくお客様が多かったです。
でも、銭湯が灰皿を撤去してしまってからは、銭湯のお客様もうちの灰皿を使うようになったため、時々「煙たい」とかクレームが来ますけど、うちまで撤去したら喫煙者の方々が困るでしょう。このへんで灰皿を置いているところはうちだけなので。
喫煙者の方がマナーを守って吸ってくれればクレームも少なくなると思いますし、私も灰皿の煙がモウモウとしないよう、毎日気をつけて掃除しています。
喫煙者にとってありがたいことです。それでは、ご商売を営む上で気をつけていらっしゃることは?
奥様:やはり気持ちよく買い物をしていただけるよう気を遣っています。お店の前と灰皿はいつも掃除をして清潔に。常連のお客様とはよく会話もします。
ずっと通い続けてくれている常連さんもいらっしゃるし、お客様おひとりおひとりを大切にしないとね。
周辺案内
代々木大山公園
渋谷区立公園の中では一番大きく、園内には少年野球場が2面ある。また、大きなジャングルジムや象をかたどった滑り台などの遊具も充実しているため、常に親子連れや子供たちで賑わっている。
渋谷区西原2-53-1
小田急小田原線「代々木上原」下車徒歩15分。
東京消防庁学校売店
東京消防庁消防学校の西原寮内に売店があり、消防庁オリジナルのファイヤーグッズを販売している。消防庁のマスコットキャラであるキュータグッズや、ポンプ車、はしご車のミニカー、文房具、贈答品まで品揃え豊富。
渋谷区西原2-52-1
小田急小田原線「代々木上原」下車徒歩15分。
編集後記
とても明るくお元気な奥様。お店のこと、組合のことや代々木上原という土地柄のことをいろいろとお話してくださいました。
街中の灰皿については、今ではたばこ屋さんのご厚意で設置してあるという側面もあります。みんなが使う灰皿をたばこ屋さんが綺麗に掃除をしてくれているということを忘れずにいたいと改めて感じました。
代々木上原のたばこ屋さん、お近くをお通りの際はぜひお立ち寄りください。