代表 伊東 紘美
住所 大田区大森北

 通勤者や平和島公園・競艇場などを訪れる人々で賑わいをみせる京浜急行・平和島駅。その駅前に広々した喫煙スペースのあるたばこ屋さん「(有)アイ・ティ・オー」。50年ほど前にたばこ屋として創業してから、2代目の息子さん夫婦がお店を継がれて3年が経ちました。今年の6月に喫煙スペースを設けてからは、通勤者のオアシスとして喫煙者の皆さんに喜ばれているお店です。今回は奥様の伊東紘美さんにお話を伺いました!

喫煙スペースはいつから?

店内の喫煙所。ホッとするひと時を提供しています。

 今年(平成15年)の6月です。貸していた隣の電気店があいたので、それを機にお店を広げました。その際に、皆さんにゆっくりたばこを吸ってもらえるような場所を提供したいと思っていたので、喫煙スペースを設けました。

喫煙者にとってはありがたいですね。

平和島駅前の改札を出て右に進むとすぐの所にあります。

 お客さんからは大変喜ばれていますよ。ちょうど時期が同じく4月から駅が全面禁煙になったので、満員電車に乗る前・降りた後の一服ができる癒しのスペースとして利用してもらっています。
 店内には飲み物の自販機が置いてあるので、朝は常時5・6人の方が入れ替わり立ち代り、コーヒーを飲みながらテレビを見ながら、皆さん一服していますよ。
 一服している方の目に付くように、店頭に葉巻や海外の珍しいたばこの自販機を置いて、営業の工夫もしています。

吸殻のお掃除が大変では?

 売ったらおしまいではなく、たばこ専門店として“売った後のこと”も大切だと考えているので、大変ではなく“当たり前”です。
 毎日片付けるこの吸殻が、もし道路にばら撒かれていたらと想像すると、ぞっとします。喫煙者の方々もマナーをもっと意識して、ポイ捨て・歩きたばこを絶対しなければ、世間様から少しはけむたがられないと思います。

駅前の立地でお忙しいのでは?

特殊銘柄の入ったたばこの自販機。その上にテレビが置いてあります。

 特に平日の朝と夕方は忙しいですね。人の流れを観察してみると、平和島駅は、通勤の際に乗車駅というより降車駅として利用している人が多いと思います。他所から働きに来る人の方が多い。だから平日の方がはるかに売上が多いですね。
 特に7月の値上がり前日は、大変でした!予約だけでも100件以上入りましたから、主人と息子と3人でさばいてもさばききれない状況でした。

在庫管理はパソコンでなさっているんですか?

在庫の入力作業を行っている様子。

 カートン単位での在庫管理と発注を3年前からパソコンで行っています。今は専用のソフトを使ってますが、まだそれがなかった時には自分で作ったエクセルの表で管理していました。その前はワープロや会計専門機を使っていました。
 お客様の迷惑にならないように、たばこの品切れには気を使っています。たばこって何が売れるか予測できないでしょ。普段あまり出ないのに5カートンまとめ買いする方がいらっしゃったり、何がどこで売れるかわからない。この銘柄は売れないから注文を減らそうかと思っているときに、急に売れ出したり。だから、最終的な判断はやっぱり今まで培ってきた“勘”に頼るしかありません。月末は世間一般の方は給料日だから、この銘柄のカートン買いが多くなるだろうとか、あの銘柄の方はこの日にまとめ買いに来られるとか。日頃の勘を使います。

お店は今も年中無休!?

カウンターの中の様子。

 創業からずっと年中無休です。自販機があるんだから、1日位休んでもお客さんは困らないと先代に言っても、「お客さんのためだから」って休まなかった。家のことは何もやらない人だったから、お客さんと接してる方が好きだったんでしょうね。それこそ、先代の葬式の日にも営業していたんです(笑)。遺言ではないけれど、「何があってもお店を休んではいけない」と普段から言ってた人なので、そうした方が喜ぶだろうと思ったんです。

周辺案内

平和の広場と愛し子の像

 大田区の公園としては最大の広さを誇る「平和島公園」。昭和59年、大田区が平和都市宣言を行った記念として、平和の広場に「愛し子の像」の記念碑を設置。今は公園のシンボルとなっています。

ひょうたん池

 同公園内にある「ひょうたん池」には鯉が放流されていて、釣り池として区民に解放されています。人気のあるスポットの1つとして、平日・休日ともに人々が途絶えることはありません。

編集後記

 アイ・ティ・オーさんの店内にある喫煙スペースは、駅前の憩いの場としてたくさんの喫煙者の皆さんに利用されています。周りの人からは「もったいないからやめた方がいい」と言われても、先代から受け継いだ「お客様に喜んでもらえる店作り」が提供できるように、日々努力されています。それは結果として、改装後の売上にちゃんと反映されているそうです。
 大田区の繁盛店として、これからも益々発展なさることでしょう。