代表 | 榎本 和子 |
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住所 | 豊島区駒込7-16-13 |
TEL | 03-3918-4351 |
豊島区・駒込の地は、桜のソメイヨシノ発祥の地です。駒込で品種改良されたソメイヨシノは、今や日本各地で見られる桜の代名詞になりました。
そして、今回伺ったエノモトたばこ店さんは、染井銀座商店街にあります。商店街の名前の由来は、もちろんソメイヨシノ発祥の地にちなんで。
そのような地元情報も含め、いろいろなお話をエノモトたばこ店さんのご主人と奥様からお聞きしました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
ご主人:昭和23年頃に父がお店を始めました。創業時は、不動産屋をしていて、その脇でたばこを売るという形でしたね。
僕は学校を卒業して、銀座の写真屋さんで現像の技術者として働いていましたが、昭和40年頃に結婚して店をみるようになりました。僕のときには不動産はやめて、カメラとたばこのお店にしたんです。写真の暗室があって、現像していましたよ。
でも、写真がカラーになったときにやめたんですよ。白黒写真の現像の技術はあったけど、カラー写真は機械からして全然違うものでしたから。
奥様:それで、カメラをやめて、かわいらしい雑貨を置くファンシーショップにしたんです。
今でも、子供さんが好きそうなかわいい文房具や雑貨が置いてありますね。
奥様:そうですね。当時はそういうファンシーな文房具や小物を扱うお店が少なかったので、主人が仕入れた商品がその日に全部なくなるくらい売れました。今も少しそのような形を残して、かわいらしい文房具やお子さんが好きな駄菓子を置いています。
あとは、最近はたばこ屋さんも少しずつ減ってきましたよね。この商店街にもたばこ屋さんはあまりなくて、外の灰皿は喫煙者の方によく使ってもらっています。吸える場所がないですからね。
お客様にとっては、こちらに灰皿があって助かっているでしょうね。
ご主人:うちで買わなくても来て吸っていかれますよ(笑)。
奥様:灰皿を使っている方の顔を見ると、通りすがりの方が多いですね。空き缶を置いていったり、たばこの空箱を灰皿に押し込んでいったりと、置き土産も多いんですけど(笑)、たばこを売っているんだからそれくらいは仕方ないと思って掃除しています。
でも、灰皿に燃えるゴミを入れていく方もいるので、朝晩は必ず燃えるゴミがないか確認しています。
吸える場所が減ってきているぶん、一カ所に集まりがちで、たばこ屋さんの灰皿の掃除も大変ですよね。たばこのお客様は常連さんが多いですか?
ご主人:ほとんど常連さんですね。昔、僕の父がお店をしていた頃は、近所の知っている人が集まって、たばこを吸いながら半日も話し込んでいったものです。
店が集会所みたいでした(笑)。
平和な日常風景ですね(笑)。それでは、ご商売を長く続けている上で、気をつけていらっしゃることは?
ご主人:奥さんは僕には愛想よくないけど、お客様にはとても親切に接していますよ(笑)。
奥様:それはそうですよ(笑)。でも、主人も私が外出していたり、お店に出られないときは上手に店番してくれています。お客様のお話をよく聞いて、話し相手になっていますよ。
お年寄りで、独り身の方も今は多いから、話し相手が欲しいでしょうし、年齢が近いと通じる話も多いですよね。やっぱりお客様とのコミュニケーションが一番大切ですね。
周辺案内
東京都北区防災センター(地震の科学館)
防災基地モデル建設事業の一環として昭和59年に開館。展示ホール見学、体験、訓練を通して防災知識を身につけることができる。過去に起こった地震の体験や、煙体験、初期消火訓練等を実施している。
東京都北区西ケ原2-1-6
東京メトロ南北線「西ヶ原」下車徒歩5分。
昌林寺
補陀山と号し、創建年代の詳細は不明だが、江戸時代には徳川将軍家のお膝元として江戸六阿弥陀巡礼の木残、北豊島三十三ヶ所霊場19番札所、上野王子駒込辺三十三ヶ所観音霊場5番札所となった。
東京都北区西ヶ原3-12-6
東京メトロ南北線「西ヶ原」下車徒歩5分。
編集後記
とっても仲むつまじい榎本さんご夫婦。ご主人は昭和時代のお店の外観写真をたくさん見せてくださいました。
現在とはまったく違う、レトロな映画のセットのようなかわいらしい風景に時代の移り変わりを感じます。また、このあたりがソメイヨシノ発祥の地だと奥様が教えてくださり、勉強になりました。
お話が楽しいご夫婦が営むたばこ屋さん、お近くをお通りの際はぜひお立ち寄りください。