代表 箕輪 和子
住所 新宿区新宿1-17-5
TEL 03-3351-1896

東京メトロ丸ノ内線の新宿御苑駅から徒歩2分程度の場所にたばこ屋「箕輪」さんがあります。

オフィスが入るビルや飲食店がほどよい間隔で並ぶ通りに一服できる灰皿を置くたばこ屋さんは、近隣の愛煙家にとって、オアシスになっているようです。

こちらで長年たばこ屋を営む箕輪さんのお話を伺ってきました。

お店の創業はいつ頃でしょうか?

お話を伺った箕輪さん。

箕輪さん:私はあまり詳しくないですが、明治36年頃に祖父が油などを売るお店を始めたと聞いています。その後、昭和26年に父が会社にして、玉川屋という酒屋になり、私は高校を卒業してすぐに酒屋で働き始めました。

そのときには兄のお嫁さんもいたし、母もいたので、家族でお店を見ていましたが、今は兄も義姉も亡くなったし、私ひとりで酒屋はとてもできないので、省スペースにして、今のたばこだけのお店にしました。

お隣のバーは、もともとは酒屋の店舗だったところです。

お昼時を過ぎても、買いに来るお客様はもちろん、お店の前の灰皿で一服していかれる方がすごく多いですね。

たばこの棚。ほか、店内には飲料を取りそろえています。

箕輪さん:そうですね。お客様皆さん、私ひとりだから気遣ってくれるのか、灰皿を綺麗に使っていってくださいます。

たまに火種が残ったまま、吸い殻を捨てると、燃えちゃうじゃない? そうするとお客様が「煙出てるよー」って教えてくれたり(笑)。

ふたつ灰皿を置いていますが、毎日2回は掃除しないと、すぐに山盛りになっちゃいます。

飲食店含め、喫煙できる場所が減っていますから、愛煙家は一カ所に集まりますよね。

レジ前陳列。

箕輪さん:そうなんです。たばこの小売店も、コンビニさんも、周りからの要請もあって、どんどん灰皿を撤去していくでしょ。うちは、たばこを販売していますし、たとえ、うちでたばこを買わない通りすがりの方にも「どうぞ」と言って灰皿を使ってもらっています。

でも、喫煙場所については、もっと国のほうでも考えて欲しいですね。たばこを売るだけ売っておいて、喫煙できる場所はどんどん減らすなんておかしな話です。もう少し、喫煙場所を提供してもいいのではと思います。

そうですよね。喫煙場所や灰皿を撤去するから、少ない喫煙所に一気に愛煙家が集まり、その煙にクレームがくるという悪循環が出来上がっているのかもしれません。お客様はこのあたりにお勤めの常連さんが多いのでしょうか?

たばことコーヒーなどの飲料を販売しています。

箕輪さん:通りがかりの人ももちろんいますが、常連さんは多いですね。よくお喋りしていってくれますよ。お互い喋って「わははは!」って笑って「じゃーね!」って帰っていかれる。そういうお客様多いです。

あとは、以前うちに猫がいたんです。近所の人が野良の子猫を連れてきて、「うちは引っ越しするから飼えない。だからおいてくれませんか。エサは持ってきます」って。でも、その人、結局エサは持ってきませんでしたね(笑)。

でもお客様にはすごく可愛がられて、エサをあげてくれる方も多かったです。

看板猫のようですね(笑)。

新宿御苑駅から徒歩2分ほどのたばこ屋さんです。

箕輪さん:お店の脇の通路が猫のみーちゃんの居場所だったんですが、お店は日・祭日が休みなんです。そういう日にも、お客様がエサをあげてくれたりしました。

うちのお客様は皆さんすごく優しくて、写真もいっぱい撮って置いていってくれたのでアルバムにしています。すごく可愛がられて15年も生きたんですよ。

つい先月の中頃に亡くなったので、今もお客様に「猫どうしたの?」って聞かれます。

周辺案内

太宗寺

浄土宗・太宗寺は1596年頃、太宗という僧の庵として造られた太宗庵が始まりとされる。境内には東京都指定有形文化財である銅造地蔵菩薩坐像を始め、新宿区指定有形文化財の閻魔大王像ほか、数多くの文化財がある。

新宿区新宿2-9-2
東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑」下車徒歩3分。

花園公園

ブランコ、カニやリスのスプリング遊具、滑り台、鉄棒などの遊具が設置されている都会の中の児童公園。園内に明治時代の落語家・三遊亭円朝の旧居跡の碑がある。平日の広場は花園小学校の校庭として利用されている。

新宿区新宿1-21
東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑」下車徒歩3分。



編集後記

明るく気さくにお話をしてくださった箕輪さん。

長年の友人のような親しみある温かい雰囲気でお話をしてくださるので、ついついお喋りに興じてしまう、常連のお客様の気持ちがわかります。預かった猫のお話を聞いても温かいお人柄が伝わりました。

新宿御苑に近いたばこ屋さん、ぜひお立ち寄りください。