代表 | 牧野 正勝 |
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住所 | 千代田区九段南2-9-3 |
TEL | 03-3261-7877 |
東京メトロ有楽町線・南北線、都営新宿線、JR中央・総武線の市ヶ谷駅から徒歩10分程度、靖国神社南門から延びる大妻通り沿いに、エム・マキノさんがあります。
大学やオフィスビルが多い一帯で、灰皿を設置しているたばこ屋さんは、周辺の喫煙者にとってオアシスになっているようです。
こちらで長くご商売をされているご主人にお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
ご主人:昭和23年頃だと思います。戦後間もなく父が果物店を始めました。そのあとにたばこを扱い始めたんです。当時このあたりは今のようにオフィスビルはなくて、日本家屋ばかりでしたよ。
それから、近くに花柳界がありまして、料亭、待合、置屋に行くお客さんが果物をお土産に持って行くんですよ。ですから、店を閉めるのが夜12時くらいでしたね。
このあたりは、そういう時代もあったのですね。では、今のたばこ専門店にしたのはいつ頃からでしょうか?
ご主人:昭和58年頃ですね。昔は神田青果市場といって、市場が秋葉原にあったんですよ。でも、大田区のほうへ移転したので、遠くなったということもあり、改装して今の建物にしたのが平成6年の12月です。
もう年だし、細く長くということで店舗を縮小して品数も減らしました。店舗が広いとそれだけ負担がかかりますから。
もともとの店舗だったところは倉庫にしています。果物店時代の倉庫も奥にあるから、倉庫が二つ。そんなに入れておくものもないけど(笑)。
周辺にお勤めのお客様が多いのでしょうか?
ご主人:そうですね。近くのオフィスにお勤めの方が多いです。このへんは吸える場所がだいぶ減ってきているので、吸える場所に皆さん集まってきますよね。灰皿の使用頻度と、たばこの売り上げが比例してくれると嬉しいんだけど(笑)。
そういう意味では千代田区は路上喫煙を禁止する条例を最初に出したところで、一番厳しいから、街中の喫煙場所は必要ですよね。特にたばこを売る以上、そこは提供しないとね。
そうですよね。愛煙家にとっては、喫煙場所の確保は大切なことです。
ご主人:うちは自動販売機が3台ありますが、最近自販機はそんなに売れないので1台をどかして、囲いをつけて加熱式たばこだけの喫煙場所を作ろうかというプランも考えています。うちの店でいうと、加熱式たばこの売り上げが全体の35%を占めるようになってきましたから。
加熱式たばこを吸う方は、従来の紙巻たばこの煙を嫌がったりしますからね。煙が少なくてもたばこではあるので、喫煙所を利用しなくてはいけないんだけど、紙巻の煙と一緒なのは、勘弁してという。
なるほど。喫煙者でもちょっと違いがあるんですね。それでは、ご主人がご商売をされる上で気をつけていらっしゃることは?
ご主人:お客様が来たらすぐにたばこを取り出せるようにしています。タスポが導入される前の売り上げのメインは自販機でしたが、今は圧倒的に手売りが多いですから。
常連さんがお話していくこともたびたびあります。このへんにお勤めの会社員の方ですから、ストレスもあるでしょうし、うちで話をしていって発散してもらえれば(笑)。コンビニの店員さん相手ではそういうことはできないでしょうし、街のたばこ屋さんの役割でもあるのかなと思います。
色々なお客様がいらして、中にはおかしな文句を言う方もいますけど、商売をやっている身ですから、笑顔を絶やさずにいることです。
周辺案内
靖国神社
明治2年、明治天皇の命によって建てられた招魂社がはじまり。国のために尊い命を捧げられた人々の御霊を慰め、その事績を長く後世に伝えることを目的に創建された神社である。境内は桜の名所として知られる。
千代田区九段北3-1-1
東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下」下車徒歩5分。
神道無念流練兵館跡
文政9(1826)年、斎藤弥九郎が創立した神道無念流の道場跡。神道無念流の練兵館は、北辰一刀流の玄武館、鏡新明智流の士学館と並ぶ幕末江戸三大道場のひとつ。有名な門下生に桂小五郎、高杉晋作などがいる。
千代田区九段北3-1
東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下」下車徒歩5分。
編集後記
お客様が多く、お忙しくされていましたが、ずっとニコニコと笑顔でお話をしてくださったご主人。
常連さんのなかには、20分もお話していかれる方もいるのだとか。温かいお人柄に触れ、ついつい長話になってしまうのでしょう。お店は通りの角にあるので、灰皿の設置場所が入口から離れており、お客様は利用しやすいようです。
靖国神社にほど近い街中のたばこ屋さん。銘柄も充実しているので、ぜひお立ち寄りください。