代表 | 太田 百合子 |
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住所 | 世田谷区三軒茶屋1-11-8 |
TEL | 03-3424-7148 |
渋谷から近い利便性に加え、繁華性の高い駅周辺から少し歩けば閑静な住宅街になるなど、魅力的な街として人気が高い三軒茶屋。
路地裏におしゃれなカフェがあるかと思いきや、駅前のエコー仲見世商店街のようなレトロなお店も残っているなど、散策が楽しい街です。
そんな三軒茶屋駅から徒歩10分ほどの閑静な住宅街にある太田商店の奥様にお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
奥様:昭和9年くらいからお店を開業し、私で三代目になります。主人の母がたばこと雑貨店をやっていまして、主人と私はずっと外で働いていました。
ですが、急に義母が倒れましたので、私が仕事を辞めて義母の看病をしつつ、お店も見ることになったんです。ですから、最初は商売について、まったくの素人でした。
お店に入ったばかりの頃は、どこに何があるかもわからなくて苦労しましたよ。お客様に「ありがとうございました」が言えませんでした(笑)。
ご商売の経験なく、急におひとりで店を切り盛りするのは大変ですよね。
奥様:そうですね。当時、近くにあった酒屋さんがコンビニをやるようになったんです。そうしたらお客様がみんな吸い取られました。
そこで、うちはせっかくたばこ販売の許可を持っているのだから、それをもっと活かそうと思い、出張販売に力を入れたんです。
当時、三軒茶屋駅周辺は、大手チェーン居酒屋やカラオケボックスなどが進出していました。そういうところにたばこを卸せたらいいなと、20軒くらいお店を開拓したんです。
すごいことですね!
奥様:うちは三軒茶屋駅から奥に引っ込んだ住宅地ですから、お店の前を通るお客様は限られています。お店に入ってくるお客様をただじっと待つより、積極的に外に出て売り上げを伸ばそうと思いました。
私は「やるなら自分らしくやる」という言葉が好きです。自己満足ではありますが(笑)。そうしたらメーカーさんから表彰され、すっかり自信がつきました。
居酒屋さんが開店準備をする16時から17時の1時間の間にお店の自動販売機に補充しに行く。20軒以上あるので、毎日どこに行くかの割り振りをして回っていましたよ。
その1時間は大忙しですね。
奥様:たしかにその1時間は忙しいですが、あとの時間はお店番をしているという「静」ですよね。ですから、今度は「動」をしたくなるんです。生活する上で、静と動のバランスはすごく大事です。
そこで近くの区民センターで友達と卓球をし、講習会に行ったあと、この地域で卓球のクラブを作り、会長を長い間務めました。今では小学校のクラブ活動に教えに行くようになり、7~8年経ちます。
目のキラキラした純粋なお子さんたちと出会えて、私もエネルギーをいただき、元気の源になっています。
地域のお子さんたちとの触れあいは素敵なことですね。それでは、現在のクリーニング屋さんを始めたきっかけは?
奥様:20年くらい前、この周辺は古い一軒家をマンションに建て直し始めました。そうすると人も増えるし、皆さんに便利に使ってもらうサービス業がいいんじゃないかと思い、クリーニングの取次店を始めました。それがまたよくて、皆さんに喜んでもらえたのです。
主人も会社を退職してからは、お店を手伝ってくれます。時代の流れでたばこの売り上げが低下していくことには逆らえませんが、それであれば、それなりのやり方があります。
与えられた状況の中、自分で考えて実行してみることが大切ですよね。
周辺案内
大山道道標
大山は民俗信仰として多くの人々に尊崇され、大山詣でに行くための道標が寛延二年(1749)に立てられた。東京オリンピックの道路拡張等で転々と移されたが、昭和58年に現在の位置に復された。
世田谷区三軒茶屋2-13
東急田園都市線「三軒茶屋」下車すぐ。
正蓮寺
浄土宗本願寺派で白龍山と号す。竹岡長円が開山となり、明暦3年(1657)に創建し、明治43年に現在の地へと移転した。本尊は阿弥陀如来像。
世田谷区三軒茶屋1-10-11
東急田園都市線「三軒茶屋」下車徒歩8分。
編集後記
とても前向きでアイデアと行動力に溢れた奥様。世田谷の婦人部では、年に一度、組合の方はもちろんのこと、お店を閉店した方とも一緒にお話する機会を設けているとのこと。
その会合には閉店された先輩も多くみえて、思いで話に花を咲かせ、温かい交流になっているといいます。
とても素敵なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!