代表 | 荒山 哲 |
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住所 | 杉並区方南2-18-10 |
TEL | 03-3313-8668 |
東京メトロ丸ノ内線の方南町駅は、中野坂上駅から分岐する支線の終着駅になります。
これまでは、方南町駅を使用して新宿や銀座へ行く際には、必ず中野坂上で丸ノ内線本線に乗り換える必要がありましたが、2019年には、方南町駅ホームは延伸され、池袋方面からの直通運行が実施されるといいます。
都心から近く、交通の便も良くなっていく方南町。この街の変遷を見守ってきたたばこ屋さん・スクエアのご主人と奥様にお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
ご主人:昭和33年頃です。私の祖父が薬局として始めました。
方南町駅ができたのは、昭和37年でしたが、最初、丸ノ内線の終点は荻窪駅ではなく、中野富士見町駅だったんです。それが、いろいろあって、終点が荻窪になり、方南町まで延伸しました。その延伸の運動をしたのが私の祖父です。運動をやったとはいえ、もともと方南町に駅を作る予定はあったようで、実は方南町より先にも駅を作るはずだったらしいですよ。
この先に、大宮八幡宮という大きな神社がありますが、その前に駅舎の場所が確保してあるんです。幻の駅ですね(笑)。
そうだったんですか。さすがに、お詳しいですね。方南町駅は小さめですが、駅周辺はお店がたくさんあって賑やかですね。
ご主人:マンションバブルなんですよ。
今、方南町駅には丸ノ内線の中野坂上から分岐して3両編成で来てるけど、2019年には、6両編成で池袋まで直通で行けるようになるんです。
始発でもあり、終点になって便利になるので、今、マンションがどんどん建設されているんです。
では、住人も増えて、ますます賑やかになりますね。最初は薬局だったということですが、今のたばこ専門店になったのは、いつ頃でしょうか?
ご主人:私が高校生くらいのときなので、昭和46~47年頃かな。
当時、母が薬剤師だったんですが、楽しようとしたのか(笑)、薬局をやめて、うちはたばこだけ売って、他の場所は賃貸にしたんです。
その後、私はサラリーマンをしていましたが、転勤の話が出た頃、父親の体調が悪くなったので、会社を辞めて店を継ぐことにしました。それが平成2~3年頃です。
奥様もご主人と一緒にお店をみることになったんですね。それまで、ご商売の経験はあったのでしょうか?
奥様:商売は初めてでした。何をしたらいいのかわからなくて、たばこの銘柄も値段もまったくわからないので、お客様に教えてもらっていました。「これですか?」「そう、それ!」みたいに(笑)。
ご主人:住宅地のせいか、駅前といっても固定のお客様が多いですよ。お客様に育ててもらっています。
それでは、ご商売をされる上で気をつけていらっしゃることは?
ご主人:店の営業時間は、朝10時から夜20時までですが、営業時間をきっちり守ることですね。決めた時間にはちゃんと店が開いていることです。
それから、品切れをしないこと。売り上げが落ちてきてはいても、いつも来てくれるお客様はいるので。あとは自然体でやっています。
奥様:お客様には「またあそこで買おう」と思っていただけるように、気持ちよく買い物していただくことですね。
周辺案内
多田神社
ご祭神の多田満仲公は、第56代清和天皇の御曽孫多田源氏の祖神。約900年前(1092年)、源義家が大宮八幡宮に参詣のおり、先祖多田満仲を奉祀したことに始まる。また、毎年8月26~27日の夏祭りには、多くの人が訪れる。
中野区南台3-43-1
東京メトロ丸ノ内線「方南町」より徒歩5分
宝福寺
真言宗豊山派の寺院。創建年代は不詳だが、江戸三十三観音霊場17番であることから、古くからこの地にあったことが伺える。境内にある筆塚碑の「筆塚」という字は、中野で私塾を開いた戸村直衛という知識人によるもの。
中野区南台3-43-2
東京メトロ丸ノ内線「方南町」より徒歩5分
編集後記
方南町の街の変遷について、詳しく教えてくださったご主人。地元の方にその街のことを聞くことはとても興味深いものです。
また、スクエアさんは、基本的に土日も営業していますが、時々休みを取ってご夫婦で遠出をするとのこと。東京から遠く離れたほうが、お店のことについても諦めがついて、いいのだそうな(笑)。
ご夫婦とても仲むつまじくお店を営んでいらっしゃいます。これからの発展も楽しみな方南町のたばこ屋さん、お近くをお通りの際は、ぜひお立ち寄りください。