代表 | 柳原 昇 |
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住所 | 〒174-0051 板橋区小豆沢2-18-5 |
TEL | 03-3966-1312 |
江戸時代に築かれた一里塚、日本橋から数えて三里目にあたる一里塚が志村坂上にあります。ほか、志村坂上は、江戸情緒を思わせる庭園や公園が多く、最近では、日本庭園と古民家を生かした温泉施設が人気を集めるなど、都内にありながら、自然や温泉を楽しめる町としても注目されています。この志村坂上でお店を営むご主人と奥様にお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
ご主人:昭和27年くらいです。創業時から化粧品と和装小物とたばこの店です。たばこは今よりももっと少なかったですね。父が店を始めたんですが、昔は都電志村線が走っていて、この店の前が停留所だったんです。
このへんは工場地帯でしたから、工場勤めの方が買いに来てくれましたね。その頃は賑やかでした。
奥様はご主人とご結婚されてから商売を始められたのでしょうか?
奥様:そうですね。昭和40年代に嫁いできまして、それまで商売の経験がまったくなかったので、「いらっしゃいませ」が言えなくて(笑)。資生堂の講習に通って勉強したりして、最初は本当に大変でした。
たばこのお客様は、さっと商品を出したらすぐにお帰りになりますが、化粧品のお客様はじっくり向き合って接客しますから。
ご主人:私は午後からは別の商売に行ってるんです。もうひとつ店をやっていて、ここから5分くらいのところにある自転車屋です。自転車屋も長くて40年くらいやっています。ですから、午後はここの店は家内とパートさんに任せています。
長いこと、志村坂上の土地に根ざしたご商売をされているんですね。
ご主人:そうですね。他に私の兄弟が志村坂上でたばこ屋をやっているんですよ。すぐ近くに兄が2軒のたばこ屋をやっています。今はひとり亡くなりましたが、以前は兄弟で4軒のたばこ屋をやっていました。
板橋エリアで兄弟で4軒のたばこの許可を取っている小売店は珍しかったと思いますよ。うちは、コンビニとの差別化で珍しい外国のたばこも置いています。店の裏に大きな病院があるので、看護師さんがよく買いに来てくれますよ。
奥様:女性のお客様は多いですね。ですから、女性が好むたばこを多く置いています。
駅からすぐで、中山道沿いのお店なので、人通りもお客様も多いですね。
ご主人:9割は常連のお客様ですよ。隣にマクドナルドとドトールができたので、客寄せにはなりますけどね。すぐ近くに志村一里塚があるんですよ。昔から商売をやるには、交差点と一里塚の間がいいって言われてきました。
塚を越えると、特殊な商売じゃない限りは繁盛しないって。あとは、駅から坂の下へ向かうと環八に出るんですが、坂の途中に店を出してもダメですね。それは志村に限らず、坂の途中での商売は難しい。
自転車でも車でもすーっと通り過ぎちゃうからでしょうかね。何の商売でも場所は大切ですね。
なるほど。確かにそうでしょうね。お休みは日曜祝日ということですが、何かご趣味などありますか?
ご主人:出かけたりはしますが、二人一緒ではないですよ(笑)。
奥様:会社勤めの方は、休日は一緒に過ごすでしょうけど、私たちは普段ずっと一緒にいるので、お休みの日くらいは別々になりますね(笑)。
ご主人 商売をやっている人たちは、そういう人が多いと思いますよ。
奥様:昔は日曜日というと、出かけていましたが、普段立ち仕事なので、この頃はゆっくり休もうって思います。
周辺案内
志村一里塚
一里塚は、徳川家康が秀忠に命じて日本橋を起点とする全国の街道沿いに、一里(約4キロ)ごとに築かせたもの。志村一里塚は現在でも、ほぼ当時の姿のまま残されており、国史跡に指定されている。
板橋区志村1-12
都営地下鉄三田線「志村坂上」より徒歩1分
薬師の泉庭園
薬師の泉庭園の前身は、大善寺という曹洞宗寺院であった。この寺の境内に湧く清水を徳川吉宗が褒め、本尊である薬師如来を清水薬師と命名。その後大善寺は戦中戦後にかけ荒廃したが、平成元年に板橋区が整備し、薬師の泉庭園として開園させた。
板橋区小豆沢3-7-20
都営地下鉄三田線「志村坂上」より徒歩5分
編集後記
志村坂上で長いことご商売をされているご主人。こちらの化粧品・たばこのお店の他に、自転車屋さんも経営されているとのこと。土地と商売について造詣が深く、いろいろなお話をして下さいました。また、奥様もとても明るく気さくにお話をして下さり、ご夫婦あうんの呼吸で会話が進み、楽しいひとときでした。志村坂上駅より一里塚方面に歩いてすぐのたばこ屋さん。取り扱う銘柄も豊富なので、ぜひお立ち寄り下さい。