代表 | 福與 隆行 |
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住所 | 〒166-0004 杉並区阿佐谷南1-17-23 |
TEL | 03-3317-0294 |
JR中央線・総武線の阿佐ヶ谷駅から、東京メトロ丸ノ内線の南阿佐ヶ谷駅方面まで、約700メートルもある、阿佐谷パールセンター。平日、休日問わず、常に買い物客であふれる、活気ある商店街です。この商店街の南阿佐ヶ谷駅近くにお店をかまえる若きご主人にお話を伺ってきました。
お店の創業はいつ頃でしょうか?
ご主人 大正時代にはもうここに店があったようです。もともとは金物とたばこを扱っていました。昭和の終わりに建て直したときに、ほとんどは貸店舗と賃貸にしましたが、親父がたばこの店をやるつもりでここのスペースは残しました。でも、結局店はやらず、自動販売機だけにしていましたね。1999年に親父が亡くなって、僕が帰ってきたときに、手売りのできる今のような店の形態にしたんです。
帰ってきたということは、ご主人はそれまで外で働いていらしたんですね。
ご主人 そうですね。大学を出て一度サラリーマンになったんですが、性に合わなくてすぐに辞めちゃったんです。それで、家に居づらくなって一人暮らしを始めて、とりあえずバイトでいいから働かなくちゃというところに、八百屋で募集をしていたので、そこで働き始めました。そうしたら、これが性に合ったんですね。八百屋で売るものは定価が決まってなくて、季節や天気で値段も変わるし、お客様とのやり取りも最高に面白かった。労働時間は長いし、毎日眠たかったけど、楽しかったですね。本当は八百屋をやりたかった(笑)。
ご商売が性に合っていたんですね。木曜日が定休日ということですが、休日はご趣味に費やしたりしますか?
ご主人 以前は必ずサーフィンをしに海に行ってました。千葉の九十九里に行くんですけど、朝の3時とか4時に出るので、行き帰りの車の運転が辛くて。体を動かすのは、もともと好きなので、海に入るだけだったらいいけど、車がめんどうで、最近は遠のいてますね。誰か運転してくれる人がいればいいんだけど。
お客様とのやり取りなどで思い出に残ってることはありますか?
ご主人 そうですね……。ミュージシャンの石田長生さんが阿佐ヶ谷に住んでいて、うちに買いに来てくれていたんですよ。僕は最初、石田さんを知らず、Charさんと石田さんでデュオを組んでる「BAHO」のライブを観に行って、かっこいいなと思ってたら、その翌日、石田さんが店にたばこを買いに来てくれたんですよ。昨日の今日だったので、すごく驚いたし、感動しましたね。それから石田さんとはいろいろ話すようになりました。石田さんも僕も格闘技が好きなので、その話でよく盛り上がってましたね。石田さんが今年ガンでお亡くなりになったこともあって、それは思い出深いです。
阿佐ヶ谷には作家、ミュージシャン、芸人さんなどが多く住んでいますよね。それでは、ご商売をされる上でご主人が気をつけていらっしゃることは?
ご主人 えーっ! あんまり……考えたことないですね。もう自然にやってます。デスクワークが苦手でサラリーマンはすぐに辞めちゃったけど、商売は好きなのでずっとやってると思います。BIGで6億円が当たるまでは(笑)。当たるつもりで買ってますからね! 当たったら店をたたんで、九十九里に家を買って毎日サーフィンして過ごすだろうけど、それまでは、ずっと店を続けてると思いますよ。やっぱり商売は楽しいのでね。
周辺案内
成宗須賀神社
杉並区成田東5-29-3
東京メトロ丸ノ内線「南阿佐ヶ谷」より徒歩5分
創建年代は不詳。ご祭神は素戔嗚尊で、社名は同じく素戔嗚尊をご祭神とする出雲の須賀社にちなむ。成宗は、現在の成田東、成田西、大宮の一部にあたる区域の旧名
海雲寺
杉並区成田東4-18-9
東京メトロ丸ノ内線「南阿佐ヶ谷」より徒歩6分
江月山と号する曹洞宗の寺院。細川越中守子息を開基とし、慶長16(1611)年、八丁堀に創建。明治43年にこの地に移転したという。
編集後記
ところどころジョークを交え、とても明るく、楽しくお話をしてくださったご主人。来店するお客様にも気さくに相談にのっていたり、頼れるお兄さんという印象です。屋号の福與商店は、ご主人の名字でもあり、「ふくよ」と読みます。「與」は「与」の旧漢字だそうで、「福を与える」とは、ご商売にはもってこいの素敵な屋号ですね。これからも、阿佐ヶ谷の頼れるたばこ屋さんとして、お客様に福を与え続けてほしいと思います。