代表 | 小杉 義夫 |
---|---|
住所 | 杉並区浜田山 |
76歳になった現在でも、月1回の休みしかないというご主人は、ご商売でもプライベートでもたばこをこよなく愛する商人です。10年前から、路上喫煙禁止条例が制定されることを予想され、またそれに対する取り組み等も行っていたお話なども伺えました。 若・貴兄弟、キムタクも住んでいたという高級新興住宅地、杉並区・浜田山からたばこ屋さんインタビューをお届けします。
お店の前は井の頭通りですね
そうです。30年前は“水道道路”って名称だったんですよ。大人が傘を差しても通れるくらいの大きさの水道管が下を通っているんですよ。店の前は五又路の交差点になってるでしょ、信号待ちの時にちょっと寄ってくれたり、店の裏が住宅街なので、奥さんが旦那さんのためにカートン買いに来てくれたり、立地としては商売する上で申し分ありません。
ずっとこの地で商売をされているんですか?
商売の原点は配給所なんです。戦時中は企業統制下だから配給以外に物を売ることができなかった。そこで親父が考えたのは配給所として駅前の方に店を出したらいいんじゃないかって。でも親父は出しただけで実際の仕事は全部私がやったんです。リヤカーで配給品を取りに行って、登録している2千人分を個々に配ったり。
たばこ専門店になったのは?
戦後の自由に販売できるようになってからは駅前から今の場所で雑貨屋、今でいうコンビニみたいなものを始めました。それから20年前にコンビニの傘下に入って売上も結構あったんですが、68歳の時にコンビニとして更新するかどうかって考えたときに、「これからはたばこ専門店としてやっていきたい」と決心したんで、専門店として改装するために、JTさんに相談して今の店内になったんです。それが96年です。年をとったら、たばこ屋だけやって生きていきたいという、昔からのささやかな夢があったんですよ。
杉並区の路上喫煙禁止条例は?
条例は先にできて今年の10月から施行されるのは決まっているんですが、罰則を設けるかとか駅周辺だけにするとか、内容が決まっていないんです。
実は、10年前から将来的にはいずれそのような法律が制定されるかなと、私は睨んでいたんです。96年に改装した時には、それを踏まえて“コミュニケーション・スペース”として、テーブル、椅子を用意して座ってゆっくりたばこが吸えるように開放しようと思って、実際に1ヶ月はそうしたんです。そしたら近所の方が「食品はもう扱わないのか?」「またコンビニにしてくれ」って声が多くて・・・。辛かったんで、「わかりました始めましょう!」って全部捨てた陳列するゴンドラ、冷蔵庫を買い直して、テーブルをどけて、何のために店を改装したのかわからなくなっちゃった。
また復活されますか?
もちろん!そのために椅子・テーブルはちゃんと取っておいてあるから、もうそろそろ始めますよ。せっかく“コミュニケーション・スペース”のために、こんなに場所を取ったんですから。
先を読まないと、決まってから言われてから動いていたんでは、遅いんですよ。このスペースがきっと必要になるだろうと、時期を考えてこの店をたばこ専門店にしたんですから。
お店はご夫婦でみているんですか?
そうです。だから、喧嘩してたら商売できないでしょ。それから喧嘩してたとしてもお客さんが来たら中断せざるえないじゃないですか。お客さんが帰ってからまた始めても、またお客さんが来るでしょ。そんなこと2・3回繰り返していると、何か嫌になっちゃうから喧嘩が終わってしまうんです。円満の秘訣でもありますよ(笑)。
周辺案内
すぎ丸
阿佐ヶ谷駅~浜田山駅を結ぶ“すぎ丸”は杉並区が運営するミニバスです。料金は100円、杉並区近郊の住宅地をクネクネと曲がりながら走っています。区役所、税務署、高校、小学校、公園と各種公共施設の前で停車するので、杉並区民の足となっています。
浜田山公園
駅近くにもかかわらず、敷地内にはモッコク・ミズキ・ツバキ・ケヤキなどが植えられ、ジャンボすべり台・ジャングルジム・ブランコといった遊具広場。その隣にはフェンスで囲まれ安全に球技を楽しめる、球技場も設置されています。
編集後記
ご主人はドライブが好きで、運転歴は55年だそうです。何とその間、“無事故無違反”で警視庁から金賞をいただいたそうです。もう1つの趣味は、やはりご商売。同年代の周りの方からは「働きすぎだ」と言われても、「若い人には通じないかもしれないけど、商人が働かないでどうするんだ。サラリーマンじゃなく、自分がオーナーなんだから」と根っからの“商人”のようです。