代表 | 南雲 栄 |
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住所 | 江戸川区松江 |
江戸川区松江のたばこ屋さん「南雲商店」はなんと朝6時過ぎから開店することもあるという、たばこ専業のお店。かつては菓子パン屋さんからコンビニまで、お店の形態が何度か変わって、ご主人の好きなたばこ屋さんに落ち着いたそうです。 南雲商店の歴史と松江地区のこれからについて、語っていただきました。
ご商売の原点は?
先代の両親が「国民酒場」に来る方たちに“落花生”を買っていただくことから始まりました。若い方に「国民酒場」なんて言ってもわからないか(笑)。終戦当時、労働者だけにチケットが配給されて、そのチケット1枚で1杯飲める酒場を「国民酒場」って言ってたんですよ。昭和20年当時、この道の角に「国民酒場」があったんです。
たばこを扱い始めたのは?
だんだんと商売が安定するようになった昭和30年です。当時はたばこ販売の許可をもらうのは難しかったんだけど立地条件が適していたんでしょう、すんなり許可していただきましたね。たばこはずっと扱っているんですが、お店の形態として菓子パン屋、コンビニ、今はたばこ専業店です。
コンビニもなさっていたんですか?
コンビニは辞めて7年ほど経つんですが、いろいろありまして、商売をするには競合していかなきゃやっていけないんだけど、歳と共にそれがきつくなってね・・・。
でも大きな理由は、ある日小学生のお子さんを連れた男性の方が店に来られて、「実はこの子がお宅で万引きをしてしまったんです。申し訳ありません。」って言うんです。万引きがあるなんて全然考えたことがなかったからショックで、その件以来お客さんを見ると「この人ももしかして・・・」と疑いの目で見てしまう自分がいて、そんな自分が嫌で自己嫌悪に陥りました。それなら歳も歳で食うに困らないんだし、好きなたばこだけをやっていこうと決めてコンビニを辞めました。
カートンの陳列が印象に残りますね
お店の外からでも目立つよう工夫したんです。実用的にも、ある程度まとめた数と種類を揃えておかないと、月末に1ヶ月分をまとめて買いに来られる方もいらっしゃいますから。葉巻もパイプもキセルもきざみたばこもあるんですが、お茶を濁す程度ですけど。やはり一番の売れ筋は“マイルドセブン系”ですね。
ポッケロ(携帯灰皿)をお店で無料配布なさっているんですか?
家内がたばこ組合の婦人部で活動しているんで、イベントの時にいただいてくる物をお客さんに差し上げています。普通は100円で売ってるみたいですが、江戸川区がポイ捨て禁止条例地区になんてならないように、積極的に呼びかけしていますよ。
江戸川区は東京湾に面した位置ですね
江戸時代は海でしたから、いわゆる0メートル地帯ってとこで、子供の頃園芸用のスコップで地面をちょっと掘ると、水がジワーとしみ出してくるんです。台風になるともう大変で、家が水浸しになるから角材を用意しておいて、避難用の中2階を作るわけですよ。今となってはいい思い出だけど(笑)。そんなことから江戸川区は下水道が完備するようになって、住みやすくなりましたよ。
この地区は今後どうなって行くと思われますか?
最近目立つのが工場撤退の跡地に、マンションが建つようになってきたことだけど、松江地区は人口の流出が激しくて、葛西方面に出て行ってしまう。位置的には江戸川区の中心なんですが、今のとこ置いてかれてる(笑)。でも逆に考えれば騒がしい物ができない分、もう何年かすれば、江戸川区の“山の手”になると思ってますよ。車の交通の便も京葉道路、首都高速ありで、“住む”には良くなると思います。
周辺案内
総合区民ホール & 展望台
平成11年3月に都営新宿線船堀駅前にオープンした区民施設。今や江戸川区のシンボルと化し、イベントホール・展示ホール・会議室・結婚式場・飲食店・書店・楽器店、そして展望台など、とても魅力的な施設です。特に、地上高100メートル、360度ビュー、エレベーターガールによるガイド付きのこの展望台は、区の施設とは思えない立派なものでしかも無料!また午後9時半まで観覧可能で、夜景を見ながらのデートスポットとして有名です。
編集後記
もう1店舗、江東区の北砂五丁目団地にあって、息子さんに全て任せているそうです。そしてご主人の楽しみは週2回!のゴルフ!ご主人曰く「70歳を過ぎたんだから、それ位は遊ばせてもらわないと。この間も日本たばこさんに招待されて、コースで楽しく遊ばせていただきました(笑)」とゴルフに“やみつき”だそうです。とてもお元気な南雲さんです。