代表 | 小林 利生 |
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住所 | 〒178-0064 練馬区南大泉6-20-29 |
TEL | 03-3924-0111 |
西武池袋線の保谷駅北へ10分ほど歩くと、広い間口のガス器具屋さん・コバ商さんが見えます。国道233号線から北へ西大泉方面までのびている道路に面しているため、わかりやすく、周辺住民の方にとっては便利なお店になっているようです。
創業されたのはいつ頃でしょうか?
ご主人:昭和34年の4月10日です。今の天皇陛下のご成婚日が、うちの創業した日です。ですから今年で52年になりますね。私は出身が群馬県なんですが、群馬から出てきて豊島区内で見習いをして資格を取ったりして、19歳で独立しました。最初にここへ来たときは、周りは畑ばかりで店の前の道路もなくて砂利道でしたね。周辺に住んでいる人も少なくて、リヤカーで遠くまで回ってお客様を増やしていきました。
創業からガス屋さんだったのですか?
ご主人:最初は燃料ですね。薪や炭、練炭、固形燃料、それからガスになりました。はじめは、会社の名前も「コバ商」じゃなくて「小林物産」だったんですよ。その頃は燃料でも、三井物産という大手もあったので、それにあやかるわけではないけど、小林物産という名称で20年ほどやっていました。カタカナのコバ商にしたのは30年前、堅い漢字名称からカタカナへという流れがあったでしょう。考えてみれば小林商店でも小林商事でもよかったんですが、コバ商というのは、お客様にも覚えてもらいやすいし、呼びやすい。比較的現代にもマッチしているような(笑)。自分でも今でもいい名前だなと思っています。
たばこを扱い始めたのはいつ頃ですか?
ご主人:昭和61年です。何度も申請に行きましたよ。たばこは値引きもないし、一定の利益がありますよね。郵便ポストや公衆電話も、何度も申請して時間をかけて設置しましたが、たばこ、切手、郵便というのは、お客さまがこの店まで来てくれるということです。集客力という点で優れていますよね。たばこを買うついでに、「ああ、ここにガス屋さんがあるな」って思ってもらえますからね。
いろいろなボランティア活動もされているようですね。
ご主人:消防団、民生委員、保護司、町会長、商店会長などをさせていただいています。消防団活動は約40年、団長を最後に引退しました。団長となると、守備範囲が広大になるし、火事は24時間なので、大変でしたよ。夜中でも元旦でも電話がくればすぐに駆けつけますから、家内も大変だったと思います。お店もそうですが、こういった活動も家族ともども健康だったから続けてこられたんでしょうね。
長くご商売をされていて、気をつけていらっしゃることは?
ご主人:正直を貫くということでしょうね。時代によっていろいろ流行の商売が出てきますけど、それに飛びついてもだいたい失敗しますよね。自分にはこれしかない、という思いで仕事を続ければ何とかなるものです。私はガス屋はガス屋として、一筋にその道を貫いてきました。正直に一生懸命継続するということではないでしょうか。長く商売を続けることが最終的にはお客さまへの恩返しにもなりますからね。
周辺案内
大乗院
日蓮宗のお寺で、開創以来600年以上を経た古刹です。明治40年の火災を免れた、宝暦2年建立の立派な山門が参詣者を出迎えてくれます。また、境内に祀られている帝釈天像は柴又帝釈天の分身であり、庚申の日には帝釈天例祭が行われています。
〒178-0065 練馬区西大泉5-17-5
西武池袋線「保谷」下車 徒歩15分
あらやしき公園
園内の中央に大きな円形の芝生とカラフルな遊具があり、子供たちに人気のある公園です。園道沿いに落葉樹と常緑樹が多く植えられており、町中の緑地公園として、地域の人々に親しまれています。
〒202-0004 西東京市下保谷4-8
西武池袋線「保谷」下車 徒歩3分
編集後記
群馬からこの土地に来て、若くしてご商売を興したご主人。ご苦労も並大抵のものではなかったようですが、活動的で溌剌としたお話ぶりから、地元の方々からの信用を背負って、ご商売を続けてこられた誇りが感じられました。ご主人のお話を聞いて、誠実と信頼という循環が、ご商売ではいちばん大切なものなのだと、改めて実感しました。