代表 望月 和子
住所 〒123-0841  足立区西新井1-37-6
TEL 03-3890-3070

 西新井といえば、まず真っ先に思い浮かぶのが西新井大師でしょう。関東三大師のひとつということもあり、年始の参拝客はもちろんのこと、平日休日問わず大師前駅は人通りが多く賑やかです。そんな大師様からほど近い場所で、長年酒屋さんを営んでいる西新井リカーショップの奥様にお話を伺ってきました。

創業されたのはいつ頃でしょうか?

日本酒も洋酒も各種取りそろえております。

 奥様:昭和36年です。主人の父が建ててくれた平屋で、大きさは今の半分くらいの店でした。昔は酒屋の免許を取るのがすごく大変だったんです。ですから、酒屋の免許が取れたのは、店を出してから2年くらい経ってからですね。その間は食料品を扱っていました。たばこの販売許可が下りたのは昭和48年くらいですね。昔はこのあたりは田んぼばっかりでしたよ。田んぼの中に店が一軒ぽつんとある感じです。

周りに団地が建って住人が多くなってからはどうでしたか?

お店入口のすぐ右手がたばこのコーナーです。

 奥様:当時は今みたいにスーパーなどがなかったので、すごく忙しかったですね。クリスマスになると、家でお祝いするからコカ・コーラやジュースがすごく売れて、そのあとすぐお正月がくるからお酒もよく出るでしょ。主人が何度も何度も配達に行くんですけど、いくらやっても終わらなくて、それこそご飯を食べる暇もなかったんです。そういう懐かしい時代がありましたね(笑)。

ずっとご夫婦でお店を切り盛りしておられるのですか?

角地にある大きな酒屋さんです。

 奥様:そうですね。忙しいときだけアルバイトを雇ったこともありますけど、そのうち子供が4人生まれたので、子供たちも一生懸命使い回して店を手伝わせたりしました(笑)。今はそれほど忙しくなくなっちゃったから「店はお母さんひとりでいいでしょ」って、主人は自分の好きな仕事をしています。植木職人なんですが、朝早い仕事ですから、私がお弁当を作っています。子供たちが学校を卒業してやっとお弁当作りから手が離れたと思ったら、今度は主人のお弁当を作らなくちゃいけなくなったんですよ(笑)。

お客様は地元の方が多いですか?

明るくお話をして下さった奥様。

 奥様:そうですね。近所に住んでいる人と、店の前の道路は車の量が多いので、ちょっと停めて買ってくれる人も多いですよ。車の中にいる人にも「ここにたばこ屋さんがあるな」って認識してもらえるので、店のウインドウの外から見えやすいところに「タスポはここで作れます」っていう張り紙をしています。何年経っても20歳になる人はいますからね。

接客で心がけていらっしゃることは?

コンビニのようにたくさんの商品を置いています。

 奥様:自然体でやっていますね。お客様も「お母さんいる?」って来て、私がいなかったら「じゃあまた来るね」という感じなんですよ(笑)。お年を召した方はおしゃべりをしに来るので、店の端に椅子を出しておしゃべりできるようにしています。店はそれほど忙しくないんですけど、たばこの組合、酒屋の組合、電話や町会の役員も、主人の名義ですが、私が全部出ているので、けっこう忙しいんですよ。でも、子供が小さいうちは、近所の方々にもお世話になったし、力になってもらったので、私も微力ながら何かしら恩返しをしたいと思ってやっています。

周辺案内

五智山遍照院總持寺

 関東三大師のひとつに数えられ、西新井大師の通称で知られている真言宗豊山派の寺院です。天長3年に弘法大師が関東巡錫の折、本尊の十一観音像を造ったことが始まりとされています。毎月21日の縁日、3、4、5月の植木市や7月の風鈴祭り、10月の北斎会等、行事も多く、連日参拝する人々の姿が絶えません。

東京都足立区西新井1丁目
東武大師線「大師前」下車 徒歩5分

中郷公園

 足立区には、じゃぶじゃぶ池という、おむつが取れた就学前の子供が遊びながら水に親しめる無料の施設が21箇所あります。その中のひとつが、この中郷公園にも備えられ、遊具も充実しているので、夏には子供たちの歓声が絶えない活気ある公園です。

東京都足立区西新井1-29-15
東武大師線「大師前」下車 徒歩7分

編集後記

 明るく活発で話題も豊富な奥様。取材中にも、ご近所のお客様がお見えになって、お話をされていました。お店を営みながら4人のお子様を育てられ、学校の役員もこなされていたということですから、そのバイタリティには頭の下がる思いです。お話の楽しい奥様ですから、ご近所の方々がおしゃべりをしにお店に寄ってしまう気持ち、よくわかります。