応募総数1036名の方の中から、当選者を選ばせて頂きました。なお、皆様の思い出に甲乙つけがたく、当初23名様から49名様へと当選者を増やしました。 当選の方々には、別途メールで当選のご案内をさせていただきますとともに、1月末日までに、当選の品を発送させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。 最優秀賞 1名 神田幸子　　さん　　女性 20代 東京都 優秀賞 7名 山川アキ　　 さん　　女性 20代 京都府 細江隆一　　 さん　　女性 30代 宮城県 中西勤　　　　さん　　男性 30代 群馬県 吉岡江梨子　さん　　女性 20代 神奈川県 太田千賀子　さん　　女性 20代 千葉県 佐々木由里　さん　　女性 30代 宮城県 花岡ナオコ　 さん　　女性 30代 宮城県 入選 41名 祖父がなくなった、と連絡が入ったとき、父は電話を切ったあと、静かに一服しました。私と妹はまだ悲しみより、イナカに帰れるのが嬉しくて、はしゃいでいました。母に黒い洋服を着ていけ、といわれ、ダダをこねていたときも、いつもなら雷を落とす父はただ黙って、紫煙をくゆらせていました。なんだか、いつもとは違う父を不思議に思い、「どうしたの？」と父の背中を叩き、ふりかえった瞳には涙がいっぱいたまっていて、私が記憶する限りでは、初めてみた父の涙でした。タバコくさい息で「早くしたくしろ」とぼっそといった父の姿は今でも焼きついています。そして、それがタバコをすう父を見た最後の姿です。 たばこに癒される彼を見てホッとしたエピソードです。私は、心の病気のためお薬を飲んでいます。病気になるまではたばこ反対派でした。体に悪いから彼がたばこを吸うといつも嫌な顔をしていたとおもいます。だけど今ではたばこでいっぷくすることが人の心を癒しているんだと思えるようになったのです。それは、ある時たばこでいっぷくしている彼を見て思いました。心を安定させるお薬とたばこはよく似たものだなと。たばこで癒されている彼の顔を見てなんだかほっとしたと同時に彼がストレスからお薬を飲むような心の病気にならなくてよかった、と思わず笑顔でたばこのいっぷくに感謝しました。 私の父は頑固でとても真面目な人です。その性格が母の父、つまり私の祖父と馬が合わず、婿養子の父はずいぶん衝突して私と姉は随分悲しい思いをしました。私が２歳のとき母が亡くなり、それから父は婿養子を離れ、今の母と結婚しました。私が２８歳の時、姉とその娘たち、私と父という面子で８月のお盆に母のお墓参りに行きました。きれいに洗い清め、花と線香をあげたとき父がタバコに火をつけました。一息吸うとふっと吐き出し、すっと線香の隣に置きました。みょうに印象に残る動作でした。その日の事は忘れずに頭の中に残り、次の年のお盆のころ姉と姪と私の４人でお墓参りを終えた夜、部屋でタバコに火をつけながら姉が去年の父のその行動について言いました。　お父さん本当にお母さんの事好きだったんだよ。タバコをそなえたのがその証拠だよ。　心の奥がじわっとしました。 私の父は、たばこを一日３箱吸っていた、愛煙家でした。そして、父の親も愛煙家でした。いつもお墓参りする時は、父はお墓の前でたばこを２本つけます。１本は、お線香と一緒にお墓に、そしてもう１本は、自分で。何も話さずにお墓に向かって吸っている父は、何年も昔に亡くなった自分の父親と一緒に吸っている気分だったのでしょう。父が亡くなり５年が経ちます。今、お墓参りには、３本のたばこに火をつけます。私と父と祖父との楽しい「いっぷく」タイムです。 成人式の帰り、父親にタバコを１カートン買いました。自分が成人式に出たことで、今まで育ててくれてありがとうと言う気持ちをこめて、父がよく吸っていたタバコを買いました。しかし、当時はお互い父と娘で話す会話もほとんど無かったので、うまくそう言うことが出来ずに、私はそのタバコを渡せないまま部屋の中において置きました。タバコに気がついたのは母でした。私が親に隠れてタバコを吸っていると思った母は、私が買ったそのタバコのことを父に話し、私は突然にしかられました。「いくら成人したからって、こんなふうにタバコを部屋に買いこむなんてよくない！」そう言われ、私は弁解する気持ちも無くなりました。それからたばこのことなどすっかり忘れてしまっていたある日、父親がふと私の部屋に来て、「おまえもすっかり大人になったなー」と話し出しました。父も照れているようで、会話がぎこちないままに、「彼とかいるのか？」「仕事はたのしいか？」と話す父に、なんとなく、親心を感じました。私はタバコを思いだし、父に渡しました。「これ、お父さんに買ったの」父はしばらくだまっていましたが、その中から２本を出すと、１本を私に差し出し、「おまえも吸ってみるか？」と言いました。私はそれまでタバコを吸ったことが無かったのですが、父の好きなタバコの味を知りたいと思いました。そっと息を吸いこむと・・・煙が口いっぱいになり、むせ返ってしまいました。「は、は、はっ・･おまえにはまだタバコは早いな」そう言って父は笑っていました。でも、父と吸ったそのたばこのいっぷくが私に、父の想いを教えてくれた気がしました。今でも父のお気に入りのタバコをみつけると、あの日の父とのいっぷくを思い出します。 　数年前のことだ。当時私は就職先に迷っていた。試験には合格したものの、どうも気が進まなかった。就職先が第一希望ではなく、第二希望だったのもその理由だったが、一番は「自分がその就職先できちんと勤務できるか」という不安だった。　ある日上野公園に出かけた。まだ桜の開花には早い時期で、人の影も少なかった。一人で就職先について考えるつもりだった。ベンチに座り、ぼおっと不忍池を眺めていると、横からすうっとたばこが出た。振り向けば見ず知らずのおじさんが立っていた。「どうかしたのか、ぼうず」　見ず知らずの人に心を開くなど普段の私ならありえなかったろう。だが当時の私はだれか頼る人がほしかった。そのままたばこをうけとり、火をつけられ、いっぷくした。「どうだ。悩みがあるんだったら、おれに話さないか。話すと気分がらくになるからな」　それから二時間、いっぷくしながら彼に愚痴を聞いてもらった。就職の不安、先行きの不安、人生の不安を。聞き終わったとき、彼は言った。「大丈夫。ぼうずなら絶対やっていける。ぼうずは先生にむいてる。初対面だけど、おれにはわかる。絶対に子どもの支えになれる教師だ」　あの言葉に励まされ、現在の自分がいる。いまもいっぷくするたび、あの言葉を思い出し、励まされる。 我が社でもご多分にもれず、職場全面禁煙であり、どうしても喫煙したい場合にはベランダに行く以外、方法はありません。つまり、このベランダこそ、我が社共通の喫煙スペースとして社内の愛煙家一同が集う場所なのであります。そんな事を聞くと「喫煙者が迫害されたオフィス環境」と一見、思えましょうが、実はその逆なのであります。そう、ここに来れば普段、仕事で接する事のない人とも会話を弾ませる事ができ、これぞ「飲みニュケーション」ならぬ、「たばコミュニケーション」であると私は考えます。何より東京のど真ん中とは言え、オフィス内よりは格段に美味しい空気をも一緒に吸う事ができるので、この上ない気分転換ができてしまうのです。また、赤羽橋の駅近くという場所柄、東京タワーが目の前にあり、夜ともなればライトアップされた姿を特等席で眺めながらの一服は、色々な意味でノスタルジーに浸れる事、間違いなしです。 英語も話せないのにNYに長期滞在したころ、セントラルパークでボーっとするのが日課でした。いつものベンチでジョギングをする人を見ていると、いつも誰かしら声をかけてきます。でも、私の英語が片言だとわかるとすごくがっかりした顔でその場を立ち去ります。私のいつものベンチの向かいに座っている人が毎日ちらちらとこちらを見ているけど、もうコミュニケーションがうまくいかないと知っているから声はかけてきません。でも、毎日見る顔なので私はなんとなく知り合いになったつもりでいました。NYを去る前日、もうここには来ないことを伝えたいのだけど伝える勇気がない・・もどかしい思いをしていました。その日はいつもの日本製のたばこをやめてその人の吸っているUSA製のたばこを買って、無言で１本渡してみました。すると、その人はとても残念そうな顔で私を見ました。きっと「明日帰る」ということが通じたのだと思い、隣に座って無言でいっぷくしました。今、私の英語は上達してコミュニケーションは困らなくなったけど、あの時のタバコが取り持ってくれた無言の会話は、言葉はなくても通じあえると初心に帰らせてくれる忘れられない思い出です。 ●恋愛・結婚 男性 40代 鹿児島県 ●恋愛・結婚 男性 30代 神奈川県 ●恋愛・結婚 女性 20代 北海道 ●旅 男性 20代 愛知県 ●旅 男性 30代 千葉県 ●旅 男性 30代 長崎県 ●旅 女性 30代 東京都 ●旅 男性 40代 東京都 ●旅 男性 40代 東京都 ●病院 女性 30代 埼玉県 ●病院 女性 20代 千葉県 ●病院 女性 20代 大阪府 ●病院 男性 40代 徳島県 ●病院 男性 30代 北海道 ●仕事・勉強 男性 20代 埼玉県 ●仕事・勉強 男性 30代 静岡県 ●仕事・勉強 男性 40代 石川県 ●仕事・勉強 女性 30代 千葉県 ●仕事・勉強 男性 30代 千葉県 ●仕事・勉強 男性 30代 東京都 ●仕事・勉強 男性 30代 東京都 ●家族 女性 50代 愛知県 ●家族 男性 40代 宮城県 ●家族 女性 50代 山形県 ●家族 女性 20代 神奈川県 ●家族 女性 30代 神奈川県 ●家族 男性 30代 神奈川県 ●家族 男性 40代 神奈川県 ●家族 女性 30代 東京都 ●家族 女性 30代 東京都 ●家族 男性 40代 東京都 ●家族 男性 30代 東京都 ●家族 女性 30代 福井県 ●家族 女性 40代 福岡県 ●家族 男性 30代 新潟県 ●リラックス 男性 20代 兵庫県 ●マナー 女性 20代 群馬県 ●登山 男性 30代 神奈川県 ●その他 男性 30代 神奈川県 ●その他 女性 40代 千葉県 ●その他 男性 20代 東京都

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