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【1985/昭和60年】
職人の父は、仕事中には毎日2箱から3箱は吸うヘビースモーカーでした。だから、工房の壁は、ヤニで黄色くなってしまってました。タバコが切れると、休憩をとりながら、タバコを買いに行く父。この時間が、家と職場が、同じであった父にとっての自由な時間だったようです。パチンコもお正月しかせず、ギャンブルもしない父にとって、タバコは唯一の楽しみと癒しの効果だったのかもしれません。職場と家が離れた時、母は、父にホタル族を命じました。ベランダで寂しく吸う父の背中は、落ち着いていて、逆に私たちがベランダにでて、星を見ながら話を楽しみました。父とタバコは、そんな、懐かしい思い出です。
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