代表 小沢 一郎
住所 〒161-0031  新宿区西落合2-8-1
TEL 03-3950-3030

 温かい下町の雰囲気あふれる西落合の住宅地に、たばことお米を扱う丸沢商事さんがあります。生まれも育ちも西落合、先代からお店を引き継ぎ、ご商売一筋でお店を守ってきた元気で人情味あふれるご主人にお話を伺ってきました。

創業されたのはいつ頃ですか?

現在、ご主人と奥様のおふたりでお店を守っています。

 ご主人:昭和11年です。父が商売を始めたのはもう少し前で、下落合のほうでした。私はここで生まれて、二代目ですね。もともとお米屋で、たばこの販売を始めたのは昭和35年頃でした。

たばこを扱おうと思ったのはご主人ですか?

お店の扉を開けると、正面にたばこのショーケースがあります。

 ご主人:そうですね。私が高校生のとき、申請に行きました。その頃はもうお店を手伝っていましたし、専売公社の近くに学校があったものですから、学校の帰りに何回か書類を持って行きました。私が父の跡を継ぐのはわかっていましたので、それならたばこも販売できたらいいなと思いましてね。父はヘビースモーカーで、小さい頃によくたばこを買いに行かされたりしましたから、それならうちでも売ろうじゃないかと思ったんです。

お客様はご近所の方が多いですか?

レジの脇にはライターなどの喫煙具が置いてあります。

 ご主人:お米のほうは業務用が多くて、会社の社員食堂などに納めています。たばこは、ほとんどがご近所の常連さんですね。タスポが導入されてからは、やっぱり手売りが増えました。以前はカートンがよく売れていましたが、景気が悪くなってあまり出なくなりました。お客様は倹約できるものは倹約しようと思いますものね。でもそれが健全なんですよね(笑)。

ご商売をされる上で気をつけていらっしゃることは?

白い壁と瓦が目を引くお米屋さんです。

 ご主人:気負わないで自然体でやっていくことでしょうか。こちらからあれこれ相手様にお尋ねするのは失礼ですが、相手様からお話をしてくれるぶんには大いに結構なことですよね。あとは、当たり前のことですけど、失礼にならない小さな親切は忘れないようにと思っています。困った時にちょっと手をお貸しするとかね。

ご商売を長く続ける秘訣を教えてください。

自動販売機の前に喫煙スペースがあります。

 ご主人:小さな親切と、あとはお客様との信頼関係ですよね。一軒一軒回ってお得意様を守っていく、増やしていくというような。お米って60歳以上の方がお得意様ですからね。信頼関係を続ける年代層っていうのが60歳だそうで、社会的に流れがそうなっているので、だからそういう方々がいなくなっちゃうと小売業は大変でしょうね。若い方に対しても受け入れられるような新しい形態の特徴ある米屋を目指してお店をやっていかないとと思っています。

周辺案内

哲学堂公園

 明治39年に哲学者で東洋大学の創始者・井上円了博士によって創立されました。哲学世界を視覚的に表現した個性的な公園です。広大な敷地内には野球場、庭球場、弓道場があり、花の名所としても有名です。

東京都中野区松が丘1-34-28
都営大江戸線 落合南長崎駅下車 徒歩13分
西武新宿線 新井薬師駅下車 徒歩12分

自性院

 文明9年頃、太田道灌が豊島氏と江古田ケ原で戦っていたとき、日が暮れて道に迷ったが、黒猫の手招きによって自性院にたどり着き、難を逃れ、戦に勝利をおさめました。道灌は終生この猫を可愛がり、死後は地蔵尊を奉納したことから、猫寺という名で親しまれています。

東京都新宿区西落合1-11-23
都営大江戸線 落合南長崎駅下車 徒歩3分

編集後記

 小さな頃から重たいお米を運ぶ大八車の後押しなどをして、お店を手伝っていたご主人は「体は丈夫です」と仰っていたとおり、とてもお元気に楽しくお話をして下さいました。長年、地元のお客様と厚い信頼関係を築いてきたご主人の言葉の端々に、お客様への温かい思いやりが感じられました。