代表 | 深井 利祐 |
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住所 | 〒120-0034 足立区千住5-16-3 |
TEL | 03-3881-6960 |
6路線を交える東京北部のビッグターミナル・北千住は、駅に直結した大きなデパートが目立ちますが、駅を降りれば「宿場町通り」と称する、昔ながらの人情味あふれる商店街に出会えます。商店街を抜けた先に、仲むつまじいご夫婦と看板猫(?)二匹のいる深井酒店があります。
朝は7時頃からお店を開けていらっしゃるとか?
ご主人:早い時はそうですね。通常の営業時間は9時から夜の8時半なんですけど、年寄りだからあまり寝ていられなくて、最近は朝起きるとお店を開けるの(笑)。それに自動販売機だけに頼っているのもよくないから、昔みたいに朝早く店を開けて、夜も遅くまで営業して、お店にお客様を招くのがいいんじゃないかって思っています。
もともと酒屋さんとのことですが、たばこを扱い始めたのはいつ頃ですか?
ご主人:40年くらい前ですね。最近はお酒よりもたばこが主かな。たばこは自動販売機と手売りと半々くらいで売れますね。お客様もお店の中によく入ってきて下さいますよ。まとめ買いも多いし、ありがたいですね。
ご主人はずっとこちらのお店でご商売をされているのですか?
ご主人:私は高校を卒業して18歳で店に入りました。家内も店に入って40年くらいですね。私たちはっきり言って商人向きじゃないんです(笑)。
昔の酒屋はもっとお客様の懐に入って商売していたのでしょうけど、私どもはお客様とちょうどいい距離を置くというか、先代もそうだったんです。お店に来て下さるお客様を大事にして、自然体で、だから一時期近所にコンビニができても、あまり影響はなかったですね。今になったらこういうやり方もいいのかなと思っています。
ご商売をされる上で気をつけていらっしゃることは?
ご主人:商人は誰でも同じだと思いますけど、感謝の気持ちをもってお客様に接することですね。どのお客様にも同じ感謝の気持ちがあります。それは金額の多少によっても変わりません。感謝の気持ちは一緒です。たとえば私自身が買う金額で応対に差別を感じたら嫌ですから、それは商売のやり方ではなく、性格なんでしょうね(笑)。
ちなみにご趣味などは?
ご主人:最近は老人会で詩吟をやったりしています。いいもんですよ。詩吟って腹から声を出すので、私はあまり人前に出たことはないけど、否応なしに歌うので、ずうずうしくなりましたよ(笑)。前は人前に出るのはダメだったんですけど。
奥様:最初は人がいなくて、頭数そろえるのに無理矢理入れさせられたようなものでしたが、でも今じゃお風呂でも歌ってますから、楽しんでるんだろうなと思います(笑)。
それでは、休日などはどのように過ごされているのですか?
奥様:休日はどこにも出かける予定のない時は店を開けます。お店は楽しいですから。
ご主人:若い頃は旅行などが好きでしたが、この年になると、店を開けてお客様とお話したりするほうが楽しいんですよ。私も5年前に脳内出血をしたり、病気もずいぶんしたんですが、ありがたいことに後遺症はなかったんです。年をとってこういう商売が続けられるというのはありがたいものですね。
周辺案内
千住本氷川神社
徳治二年、千葉氏が千住三丁目牛田に、千葉山西光院と氷川神社を創建、千住町が宿場町として栄え始めた江戸初期、現在地に分社が建てられました。趣ある旧社殿には千寿七福神の大黒天さまが祀られ、芭蕉の句碑もあります。
東京都足立区千住3-22
JR東武線、地下鉄日比谷線、千代田線「北千住」 下車 徒歩5分
金蔵寺
このお寺のご本尊は閻魔大王ですが、「そばえんま様」という通称があります。ご近所にあるお蕎麦屋さんの香りに惹かれて、若い女性に姿を変え、夜な夜なそのお蕎麦屋さんを訪れたとか。怖いイメージからほど遠いユニークな閻魔様です。
東京都足立区千住2-63
JR東武線、地下鉄日比谷線、千代田線「北千住」 下車 徒歩2分
編集後記
お店の奥でお話をお伺いしたのですが、可愛い猫が二匹いました。以前は商売をしているので、動物を飼うのをためらっていたそうですが、娘さんがご結婚される時に「私の代わりに」とトラミちゃんを置いていき、クロベエくんはもともと野良猫でいつもケガをして庭にいたのを奥様が不憫がって飼い始めたとのことでした。優しいご夫婦に飼われて二匹とも幸せそうでした。