代表 | 吉国 千枝子 |
---|---|
住所 | 〒124-0024 葛飾区新小岩1-50-1 |
TEL | 03-3652-3400 |
新小岩駅前に、平日の昼間でも人通りが多く、活気のあるルミエール商店街があります。そのアーケード商店街の中ほどに店をかまえるのが吉国たばこ店さんです。代表の吉国千枝子さんと二人の妹さんの仲むつまじい三姉妹で営むたばこ屋さんにお話を伺ってきました。
平日の昼間でも人通りが多いですね。
吉国さん:駅前ですから賑やかですよ。ちょっと脇へ入ったり奥へ行ったりすると全然人がいなくなってしまうんですけどね。たばこは今でも窓口での手売りのほうがちょっと多いけど、雨が降ると自動販売機のほうが売れるんです。というのは、アーケードがあるから、普段外の道を通る人がみんなここを通ってくれるんです。おかげさまで雨が降ると、ちょっといいんですよ(笑)。
こちらでお店を構えてどれくらい経ちますか?
吉国さん:私がここに来たのは昭和20年です。終戦の年ですね。港区虎ノ門の実家を焼け出されて、こちらにいた親戚を頼って来たんです。持ち出した荷物も空襲で焼けてしまい、それでどうしようという時に、駅の近くなら何か商売ができるだろうということで、ここにお店を出して、最初は荷物の預かり所なんかをしていました。
それでは、たばこを扱おうと思ったのは?
吉国さん:たばこは鶴見の駅前で、おじがたばこ屋をやっていたので、小さい頃遊びに行って、お店でおじがたばこをお客様に売っているのを見て、面白がっていたんです。大きくなって、私は会社勤めをしていたんですが、弟がここで衣料品店をやり、一時はよかったんですけど、弟も素人で始めたものですから、だんだんとね。それで、私がどうしてもたばこ屋をやりたいと言って、たばこ販売の申請を出したんです。でもなかなか許可が下りず、下りるまで2年くらいかかりました。
それでは、しばらく衣料品とたばこを扱っていたんですね。
吉国さん:そうですね。最初の頃のたばこの仕入れ帳を見ますと、多いときで30種類くらいなんですよ。売れ筋っていったら「いこい」や「朝日」、「敷島」とか10種類くらいでした。外国のたばこがなかったので、その頃は楽でしたね。今は160種くらいに増えてしまって、覚えるのが大変(笑)。
商売をしていて、苦労したことは?
吉国さん:私は楽天家で、のんきなんですよ。苦しくても一日寝れば忘れてしまいます。たばこの営業さんにもずっと恵まれて、みなさんいい方ばかりで親切にして下さるんですよ。お店を始めた頃の方は、うちの在庫見て、これは何個くらいでいいでしょう、なんて注文書を書くのを手伝って下さるので、こちらは楽でしたよ(笑)。
三姉妹でたばこ屋さんを切り盛りされているのは珍しいですよね。
吉国さん:三姉妹というより三婆ですよ(笑)。たばこ屋の三婆というのは、この辺ではここにしかいないですから、たしかに珍しいかもしれませんね。まあ、力仕事がちょっと大変ですけど、妹たちもよく手伝ってくれるので、ありがたいですね。私自身は病院に行ったこともなく、丈夫な体に生んでくれた親にも感謝です。
周辺案内
於玉稲荷神社
かつては徳川将軍の鷹狩の地として、小松の里と呼ばれていましたが、安政2年の大震火災で焼失した神田お玉が池の社を、明治4年に御本社として遷宮。
また、雅楽会が世界的にも有名で、神社での諸祈願祭には、必ず雅楽・舞楽の奉納を行います。
【於玉稲荷神社】
東京都葛飾区新小岩4-21-6
JR総武線「新小岩」下車 徒歩8分
噴水、遊水池や芝生広場、スポーツ広場、ジョギングコースなどがある広い公園です。地元の子供たちや、散歩、運動を楽しむ人々で連日賑わっています。また、園内には、趣豊かな日本庭園を見ながら会食できるレストラン「和楽亭」があります。
【新小岩公園】
東京都葛飾区西新小岩1-1-3
JR総武線「新小岩」下車 徒歩6分
編集後記
笑顔を絶やさず、とても活発で明るい吉国さんに健康の秘訣を伺うと、運動が好きで、お若い頃は山登りもされていたとのこと、駅に向かう途中や、帰り道に立ち寄って、ちょっとおしゃべりしたくなるような、素敵な三姉妹の営むたばこ屋さんでした。