代表 | 土屋 芳昭 |
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住所 | 〒164-0002 中野区上高田5-44-3 |
TEL | 03-3389-4281 |
西武新宿線新井薬師前駅の北口から、商店街に沿って2分ほど歩くと、昭和の哀愁漂うレトロな「ぎふ屋」さんがあります。店内には、ポップで懐かしい駄菓子と、日本のたばこはもちろん、外国たばこや手巻きたばこ、喫煙具などが豊富に並び、工夫されたレイアウトと相まって、独自の「ぎふ屋ワールド」を展開しています。この楽しいお店を手がけるご夫婦にお話を伺ってきました。
創業されたのはいつ頃でしょうか?
ご主人:父の代からなので、昭和24年、戦後まもなくですね。創業時は、たばこと雑貨を扱っていました。石けんやトイレ紙、洗濯ばさみなどの日用雑貨品ですね。戦後まもなくはこのあたりもみんな焼け野原で、西武鉄道しかなかったんです。その中で、父がこの土地を見つけて店を始めました。「ぎふ屋」というのも両親が岐阜の出身なので、屋号にしたんです。
いつ頃からたばこと駄菓子のお店にしたのですか?
ご主人:5年ほど前に僕がサラリーマンを辞めて店を継いだので、そのときからですね。幅広い年齢層のお客様が来られて、お子様連れのお母さんや、お孫さんを連れたお爺ちゃん、お婆ちゃんも、子供に駄菓子を見せている間にたばこをゆっくり買える環境を作ろうと思って、こういうお店にしました。道路に面した店ということで、コンビニよりも商品が見やすく、買いやすいと思いますよ。店の前でお客様が自転車に乗ったまま、「たばこくれー」と言えば、すぐにたばこを持って手渡します(笑)。コンビニではできない環境の商売ができます。
たばこの銘柄が豊富ですね。
ご主人:最初店を継承したばかりのときは、品揃えをどのようにしたらいいのかよくわからなかったんですよ。とにかく必死にお客様のリクエスト「このたばこが吸いたい。あれを置いてほしい」を聞きました。それでどんどん種類も増えていきました。去年のたばこの値上がりのときに、スモーキングコレクションでメーカーさんから情報を仕入れて、外国たばこのフレーバーなど、一つ一つに紹介タグをつけました。
お店のレイアウトはご主人がされているのですか?
ご主人:そうですね。サラリーマン時代はそういう仕事をしていたので、人間の五感に訴えるレイアウトを考えて作りました。昭和30年代を店のテーマにしています。棚に並んでいる少年少女漫画も、もう売っていない古いものばかりだから、お客様に売ることはできないんだけど、自由に立ち読みしてもらっています。一人のお客様の店の滞留時間が長ければ、他のお客様も入って来やすいですし、それによってお客様との会話も生まれますよね。
ご商売をされる上で、気をつけていらっしゃることは?
ご主人:たばこの場合は、お客様の顔を見たら、たばこの銘柄がすぐにわかるようにすればいい。店に来たお客様にたばこの銘柄を言わせないことですね。面白いのは、地元を歩いていると、お客様の名前はわからないんだけど、あの人はショートホープ、あの人はマイルドセブンって、銘柄が出てくるんですよ(笑)。この間の震災の影響で、たばこの在庫がなかったときも、お客様には、「震災の影響で、ふだんのたばこが吸えないのは、みな同じ。だからこのあと2~3ヶ月は、逆にふだん絶対買わないようなたばこを試したりして楽しみませんか?」って提案しました。そうすると、お客様もいろいろな銘柄に興味を持って、楽しんでくださったし、僕もお客様といろいろな会話ができて面白かったですよ。
周辺案内
新井薬師梅照院
弘法大師御作と言われるご本尊は、薬師如来と如意輪観音の二仏一体の黄金仏。二代将軍秀忠の第五子が悪質な眼病を患ったが、薬師如来に祈願し、治癒したことから「目の薬師」と呼ばれるようになりました。
〒165-0026 中野区新井5-3-5
西武新宿線「新井薬師前」下車 徒歩5分
新井天神北野神社
御祭神は学問の神と言われる菅原道真公と、五穀豊穣の神と言われる保食神です。境内には天神様のお使いである牛(撫で牛)が鎮座し、体の悪いところを撫でると良くなるという謂われがあります。
〒165-0026 中野区新井4-14-3
西武新宿線「新井薬師前」下車 徒歩10分
編集後記
ここ最近、タスポ導入による自販機の売上減、大幅な増税、震災の影響による出荷制限など、たばこ店の環境は厳しくなるばかりでしたが、「ぎふ屋」さんは、そういった中で、常に逆転の発想を展開し、お客様との会話の機会を増やし、ご主人のアイデア、サービスにより、お店の売り上げを伸ばしてこられたようです。何があっても、その時々のニーズに沿ってお客様に喜んでもらえるものを提供するご主人のサービス精神に感服しました。たばこについて、色々な相談ができるたばこ屋さんが一軒でもあれば、心強いものですよね。